底引き網(読み)そこびきあみ

精選版 日本国語大辞典 「底引き網」の意味・読み・例文・類語

そこ‐びきあみ【底引網・底曳網】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「そこひきあみ」とも ) 引網類に属する漁具一種。浮引網、中層引網に対するもの。一つの細長い袋状の網につづく一対袖網から出ている一対の引網によって引かれて漁獲する漁具のうち、網の下縁部が水底に接した状態で引かれるようにしたもの。
    1. [初出の実例]「トロール漁業は、二百噸乃至五百噸の汽船に底索網を索引せしめ、海底の魚類を漁獲する漁業にして」(出典:東京大正博覧会出品之精華(1914)〈古林亀治郎〉五)

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百科事典マイペディア 「底引き網」の意味・わかりやすい解説

底引網【そこびきあみ】

海底曳行(えいこう)して底生(ていせい)生物ベントス)を捕獲する魚網総称円錐形円筒形魚群を入れる袋網と引網,あるいは袋網とその左右につけて魚群を追い込む翼網と引網とからなる。狭義には手繰(てぐり)網をさすが,一般には漕(こぎ)引網,桁(けた)網,打瀬(うたせ)網,機船底引網,ビームトロール,オッタートロールなども含む。
→関連項目網漁具底引網漁業トロール網トロール漁業ネズッポムシガレイメイタガレイ

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世界大百科事典(旧版)内の底引き網の言及

【漁具】より

…固定点から,引綱―袖網―囊網―袖網―引綱の順に水中にぐるっと張り回し,元の所にもどって網を引き寄せる引寄せ網と,網を船の後方あるいは側方に下ろし,曳行する引回し網(あるいは曳行網)とがある。前者には陸上から引く地引網,船を錨(いかり)で止めて船が引く船引網などがあり,後者には各種底引網などが入る。地引網はイワシ,アジ,サバ,タイなどの魚群が岸近くに寄ったところを巻くもので,場所によって大きさは異なるが,片側の長さが袖網150~200m,引綱3000mに達するものもある。…

【底引網漁業】より

…円筒形あるいは円錐形の袋,さらにはこれに両翼をつけた網を,引綱をつけて水中を水平方向に引き,対象生物を囊(ふくろ)網の中に集めて漁獲する漁具を引網類という。このうち,いわ(沈子)綱が水底に接して引くものを底引網といい,これを用いて行う漁業を底引網漁業という。これに対して,表層あるいは中層を引くものを浮引網という。…

※「底引き網」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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