中国,福建省建陽県水吉鎮にあった陶窯。宋代に喫茶用の茶碗(天目)を量産した窯として名高い。窯址は1935年ミシガン大学のプラマーJ.M.Plumerが初めて調査し,戦後は中国の研究者による調査が再三行われている。大小の天目茶碗建盞(けんさん)を焼造した窯で,いくつかの丘が破片や匣鉢(さや)で覆われているという。建盞は北宋の士大夫階級に愛用され,なかでも兎毫盞(とごうさん)は当時の詩編にも詠われている。日本には鎌倉・室町期に請来され,天目と呼ばれて珍重された。典型的な器形は口縁部に段をつけた深目の碗で,高台内を浅く削った小さな高台をもち,腰以下が厚く作られている。褐色の素地に多量の鉄分を含む黒釉を厚くかけ,高台脇は露胎で土見せとなる。釉は溶けやすく,焼成時に釉中の鉄分が変化して流れ結晶斑となる場合があり,それを兎毫(禾目(のぎめ)),油滴,曜変などと呼び分けている。建窯は明代,伝統的な抹茶法に変わって煎茶法が一般化したためそれに伴って廃絶したとみられている。
執筆者:河原 正彦
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化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...
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