引入れる(読み)ヒキイレル

デジタル大辞泉 「引入れる」の意味・読み・例文・類語

ひき‐い・れる【引(き)入れる】

[動ラ下一][文]ひきい・る[ラ下二]
引いて中へ入れる。「ベビーカー電車に―・れる」
誘ったり導いたりして中に入れる。「男を部屋に―・れる」「あやしい魅力に心が―・れられる」
誘って仲間に入れる。「味方に―・れる」
烏帽子えぼしなど、かぶり物をかぶる。
烏帽子を―・れたりければ」〈徒然・二二五〉
[類語]引き込む抱き込む巻き込む誘ういざなう招く呼ぶ誘い合わせる誘い出すおびき出す・誘い入れる・誘い込むおびき寄せる引きずり込む引っ張り込む・誘いかける・呼びかける働きかける持ちかける勧誘誘引袖を引く口を掛ける声を掛ける水を向ける鎌を掛ける

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精選版 日本国語大辞典 「引入れる」の意味・読み・例文・類語

ひき‐い・れる【引入】

  1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ひきい・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 引いて内へ入れる。引っぱり込む。ひきこむ。
    1. [初出の実例]「執へ令めて皇(み)舟を牽納(ヒキイレ)て以て海導者(みちひきひと)と為」(出典日本書紀(720)神武即位前(熱田本訓))
  3. ( 髻(もとどり)を冠の中へ入れる意 ) かぶり物などをかぶる。ひきかぶる。
    1. [初出の実例]「御烏帽子ひきいれて臥し給へり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)初花)
  4. 誘って仲間に入れる。仲間にさそい入れる。誘ったり導いたりして中に入れる。ひきこむ。
    1. [初出の実例]「仏道へ引入んが為、定て釈加か達磨の変化させられて」(出典:虎寛本狂言・悪坊(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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