精選版 日本国語大辞典 「張騫」の意味・読み・例文・類語
ちょう‐けん チャウ‥【張騫】
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中国、前漢時代の人。匈奴(きょうど)によって河西(甘粛(かんしゅく))地方からイリ川方面に追われていた月氏(げっし)と結ぶことにより匈奴挟撃を図った武帝の策に応じ、使者として紀元前139年ごろ長安を出発。甘粛で10年ほど匈奴の捕虜となったが脱出、西域(せいいき)北道経由で大宛(だいえん)(フェルガナ)に至る。しかし月氏はすでにアムダリヤ方面に定住し、大月氏国として繁栄に甘んじて、東行の意志はなかった。彼はバクトリア地方(アフガニスタン北部)などを実地に見聞し、南道を通って帰国の途中、ツァイダム付近でふたたび匈奴に捕らえられて抑留されたが、内乱に乗じて前126年帰国。出発時に100余人だった一行はこのとき道案内の匈奴人従者甘父との2人だけになっていた。前119年、彼はイリの烏孫(うそん)へ使節として至り、副使を西方各地に派遣した。このときも匈奴挟撃同盟はできなかったが、これ以後西域諸国は活発に来漢するようになった。西域・西アジアの情報や、ブドウなど西域の物産も張騫の二度の使節行を契機として大量に中国へもたらされるようになった。
[梅村 坦]
『『張騫の遠征』(『桑原隲蔵全集 巻3』所収・1968・岩波書店)』▽『長澤和俊著『張騫とシルク・ロード』(1972・清水書院)』▽『陳舜臣・尾崎秀樹監修『世界の歴史と文化 中国』(1993・新潮社)』
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?~前114
漢代に使者として西域を旅行した人。前139年頃武帝の命を受けて,匈奴(きょうど)を攻撃するため大月氏(だいげつし)と同盟しようとして長安を出発したが,匈奴に捕えられた。十余年間勾留されたのち脱出し,アム川北岸の大月氏の領地に到達した。しかし,大月氏に匈奴を討つ意志がなかったので帰途につき,途中また匈奴に捕えられたが,前126年帰国した。その後前121年烏孫(うそん)に派遣され,その従者が西域諸国の使者を伴って帰った。彼の旅行はその目的は果たせなかったが,西域地方の地理,民族,物産などに関する知識を中国にもたらし,漢の西域経営,東西文化の交流,東西交易の発展に大きな役割を果たした。
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…パルティア王国に対する古代中国人の呼称で,この王朝が始祖アルサクArsakにちなんでアルサケス朝と呼ばれていたことに由来する。前2世紀末の張騫(ちようけん)によって中国に紹介されて以来,南北朝期までの漢籍にみられる。なお《漢書》西域伝では安息国の都を番兜城(ばんとうじよう)と伝えているが,この番兜こそがパルティアを示すと考えられている。…
… 武帝はこの余勢をかりて前112年(元鼎5)には南越国を平定し,このとき新設した郡はベトナムにまでおよび,さらに前108年(元封3)には朝鮮を平定して楽浪郡などの4郡を設け,東方の拠点とした。また武帝の匈奴征伐に先だち,張騫(ちようけん)は武帝の勅命をうけて大月氏国(月氏)と攻守同盟を結ぶべく西域に遠征した。彼はその使命を果たすことはできなかったが,パミール高原をこえてペルシアの地まで達した大遠征は中国と西方との交通を開くことになった。…
…1日に千里を走り,疾駆すると血のような汗を流すので,この名がつけられたという。前漢の武帝のとき,張騫(ちようけん)の遠征によって西域に名馬のいることが中国に知られるようになった。中国では古来名馬を天馬と称しているが,《史記》の大宛列伝によると,〈はじめ烏孫の馬を天馬と名づけたが,大宛の汗血馬を得てみるといっそうたくましく,そこで大宛の馬を天馬と称し,烏孫の馬を西極(せいきよく)と改めた〉と記されている。…
…都市の盛場の盛況が史料に残っていることから推せば,飲食店などもこの時代に出現したであろう。漢の武帝の初めごろ,西域に出使した張騫(ちようけん)が西域のパン小麦,胡麻,胡椒,胡荽(香菜),胡羅蔔(ニンジン),胡瓜(キュウリ),葱(ネギ),蒜(ニンニク),茄子(ナス),柘榴(ザクロ),葡萄,胡餅(小麦や麦類などの粉で焼いたもの)などの植物,料理法をもち帰ったと伝えられる。もとよりこれらは,いわゆる〈張騫もの〉と称されるもので張騫の西域遠征の際にすべて伝来したものではない。…
※「張騫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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