強膜(読み)キョウマク

デジタル大辞泉 「強膜」の意味・読み・例文・類語

きょう‐まく〔キヤウ‐|キヨウ‐〕【強膜/×鞏膜】

眼球の後部約6分の5を覆う白色の厚く強靭な線維性の膜。前方角膜に連なる。結膜を透かして白目として見える。白膜

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世界大百科事典 第2版 「強膜」の意味・わかりやすい解説

きょうまく【強膜 sclera】

かつては鞏膜とも書いた。角膜とともに眼球の外壁を構成する強靱(きようじん)な膜。いわゆる白眼(しろめ)は強膜の一部である。直径約24mmの球状で,前方は角膜に連なり後方は外側強膜が視神経鞘に連なる。厚さは視神経周囲で最も厚く1.0mmあるが,眼筋の付着部の筋肉下では0.3mmと薄い組織学的には,角膜実質と同様コラーゲン繊維からなるが,その太さは300~3000Åと不ぞろいであり,走行も不整のため,透明性がない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「強膜」の意味・わかりやすい解説

強膜
きょうまく

眼球の外壁の大部分を占める白色不透明な膜で、いわゆる白目は透明な球結膜を通してこの膜がみえることによる。前方は透明な角膜に移行し、後方は視神経によって貫かれている。組織の大部分は膠原線維(こうげんせんい)からなり、間を埋める基質コンドロイチン硫酸を含む。厚さは約1ミリメートルであるが、4本の直筋が付着する部分では約0.3ミリメートルと薄い。以前は鞏膜という字が使われた。

内田幸男


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百科事典マイペディア 「強膜」の意味・わかりやすい解説

強膜【きょうまく】

鞏膜とも書く。眼球の外側壁で,前面中央の角膜を除いた部分をつくる不透明で堅い膜。眼球前面ではいわゆる白目(しろめ)の範囲にある。
→関連項目

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「強膜」の意味・わかりやすい解説

強膜
きょうまく
sclera

眼球の最外壁となる結合組織性のじょうぶな膜で,いわゆる白眼の部分をいう。ただし,強膜には2つの穴があり,前方の穴には透明な角膜 (黒眼の部分) がはめ込まれていて,それらの表面は結膜でおおわれている。また強膜後方の穴からは視神経が出ている。

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栄養・生化学辞典 「強膜」の解説

強膜

 眼球の形状を保つ膠原線(繊)維の組織.

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世界大百科事典内の強膜の言及

【角膜】より

…角膜は透明であるため,外から見るとその奥にある虹彩irisが見え,中央が瞳孔となっている。角膜は周辺部では不透明となり強膜に続く(強膜への移行部を角膜輪部という)。強膜の曲率は角膜よりゆるく,眼球を輪切りにすれば,強膜の大きな円の一部に角膜が突出した形となる。…

【目∥眼】より


[脊椎動物]
 ヒトをも含めて,脊椎動物の側眼はほぼ球形の眼球とその前方にレンズを備えた形状から,カメラ眼と呼ばれる。眼球の壁は,外側から内側に向かって,強膜,脈絡膜,網膜という3層構造をなし,前方の強膜は透明になって少し突き出し,角膜となる。また脈絡膜の前縁は小さなひだ状の毛様体となり,透明な繊維でできたチン小体を介して水晶体に連なる。…

※「強膜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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