ある種の物体では,力を加えると変形を起こし力を取り去ると変形も完全にもとに戻る.このような変形を弾性変形という.また,このような性質を弾性,弾性をもつ物体を弾性体という.応力や変形が大きくなると弾性回復が完全でなくなり永久変形を生じるようになるが,永久変形の生じる最小の変形または応力を弾性限界という.したがって,弾性変形は弾性限界内の変形といえる.変形が応力を取り去ると同時に完全に回復するものを理想弾性変形といい,変形がもとに戻るのに時間がかかるものを弾性余効変形という.なお,弾性限界を超えた変形は塑性変形という.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…固体物質に外から力を加えると変形する。力が小さいときは,力を0に戻すと変形も元に戻る(このような変形を弾性変形という)が,力が大きくなると,力を0に戻しても変形は元に戻らないで永久的な変形が残る。後者の変形を塑性変形と呼び,固体のこのような性質を塑性と呼ぶ。…
…力が小さい間(正確には応力が小さい間)は,力を0に戻すと形も元に戻る。このような性質を弾性といい,力を取り除くと元の形に戻る変形を弾性変形と呼ぶ。elasticityは引きのばしやすいという意味のギリシア語elatosに由来する。…
…さらに,物質に加える力と時間,および変形との関係を明確に記述することだけでなく,そうした現象の起こる理由,すなわち物質の分子構造あるいは集合体としての構造と変形との関係を明らかにすることをも目的としている。
[物質の変形と流動]
物質に力を加えたときに起こる挙動の典型的なものに弾性変形,粘性流動および塑性流動がある。弾性変形とは,力を加えるとき瞬間的に起こり,力をとり除くと完全かつ瞬間的に消失するような変形をいう。…
※「弾性変形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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