あと‐かた【後方】
〘名〙
① あとのほう。うしろ。しりえ。こうほう。
※類従本讚岐典侍(1108頃)下「殿のあとかたに寄り奉らせ給ひしかば」
うしろ‐がた【後方】
※栄花(1028‐92頃)歌合「又賭弓
(のりゆみ)あれば、
前方、うしろかたと、ことどもわきて」
のち‐かた【後方】
〘名〙 のちほど。後刻。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「まっ此よふにあちらこちら、かへてしからば後かたまで、其状箱は足軽弐人へ、預けて置けば互に
目代(めしろ)」
しる‐え ‥へ【後方】
〘名〙 「しりえ(後方)」の上代東国方言。
※
万葉(8C後)二〇・四三八五「行こ先に波なとゑらひ志流敝
(シルヘ)には子をと妻をと置きてとも来ぬ」
こう‐ほう ‥ハウ【後方】
〘名〙 うしろのほう。
後面。〔医語類聚(1872)〕
※橇(1927)〈
黒島伝治〉七「兵タイをのせてゐた橇は、三露里も後方に下って」
しり‐ざま【後方】
※
撰集抄(1250頃)三「しづかに聞え侍らんと思ひて、しりざまにつきてまかり侍りぬ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「後方」の意味・読み・例文・類語
しり‐え〔‐へ〕【▽後▽方/▽後】
1 後ろのほう。後方。
「万丈の山千仞の谷前に聳え―に支う」〈鳥居忱・箱根八里〉
2 競技や物合わせをするときの右のほうの組。
「上の女房、前―と装束き分けたり」〈源・絵合〉
[類語]後・後ろ・後方・背後・後部・後面・直後
あと‐べ【後▽方/▽脚辺】
《古くは「あとへ」》
1 (後方)後ろの方。
「鉄柵よりは数尺ばかりも、―に立ち」〈竜渓・経国美談〉
2 寝るときの足の方。
「頭辺に匍匐ひ、―に匍匐ひ」〈神代紀・上〉
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世界大百科事典内の後方の言及
【兵站】より
…アメリカ軍ではロジスティックスlogisticsといい,自衛隊(陸上自衛隊を除く)では後方と呼ぶ。作戦軍の生存と活動を維持・増進するため必要な軍需品,補充員等を本国から追送し,また死傷者,損傷兵器等を取り除いて本国に後送し,それによって作戦を支援する,戦闘地帯から後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称して兵站という。…
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出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報