ご‐しょう ‥シャウ【後生】
〘名〙
① (前生、今生
(こんじょう)と対応して用いる)
仏語。
死後の
生存のこと。死後の世。死後に住む世界。または、死後生まれかわること。
後世(ごせ)。
来世(らいせ)。
あの世。
※霊異記(810‐824)中「
余罪の後生
(ごしゃう)の世に至らむことを恐れ、是を以て慙愧発露す」
※栄花(1028‐92頃)うたがひ「
現世は御寿命延び、後生は
極楽の上品上生に上らせ給ふべきなり」
② 極楽に生まれること。極楽に生まれて安楽を得ること。また、その安楽。
極楽往生。
※
御堂関白記‐寛弘八年(1011)三月二七日「供
二養法経
一、是只為
二後生
一也」
※御伽草子・
小敦盛(室町末)「まことに汝心ざしあらば、善根をして、
敦盛がごしゃうに得さすべし」
③ 極楽
往生を念願して、この世で
徳行を積むこと。
功徳としての慈悲深い行為。
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「一心になにはの事をも打ち捨てて、ひとへにごしゃうの勤めなり」
④ 人におりいって事を頼みこむときに用いる語。許しを請うこと。哀願すること。お願い。
こう‐せい【後生】
〘名〙
① 後から生まれること。後に学ぶこと。また、その人。
後進。
※
続日本紀‐養老四年(720)一二月癸卯「遂使
二後生之輩積習成
一レ俗」 〔
墨子‐非儒下〕
のち‐おい ‥おひ【後生】
〘名〙
① あとにできること。あとから生じること。また、そのもの。
※
曾丹集(11C初か)「のちおいのつのぐむ芦のほどもなきうき世の中は住みうかりけり」
※宇津保(970‐999頃)国譲上「のちおいのいふ事のあれば、などて我がむまごにこそあれ」
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デジタル大辞泉
「後生」の意味・読み・例文・類語
こう‐せい【後生】
1 あとから生まれてくる人。後世の人。
「古人もそうだったし、―もそうでしょう」〈芥川・戯作三昧〉
2 あとから学ぶ人。後輩。後進。
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後生
ごしょう
死後生まれ変わることをいう。後世、来世と同義。前生(ぜんしょう)、今生(こんじょう)に対する語。『法華経(ほけきょう)』薬草喩品(やくそうゆぼん)などの経典にみられるが、往生(おうじょう)思想の盛行に伴って死後の往生の問題として重視されてくる。『栄花物語』うたがひの巻にも、後生の極楽往生への言及がある。また室町末期、蓮如(れんにょ)は『御文(おふみ)』に、「後生の一大事」として念仏往生を説いた。近世以降は一般語として、おりいって頼むときなど哀願する意味にも用いられるようになった。
[北西 弘]
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普及版 字通
「後生」の読み・字形・画数・意味
【後生】こうせい
年少。後進。〔論語、子罕〕子曰く、後生畏るべし。焉(いづく)んぞ、來
(後世の人)の今に如(し)かざるを知らんや。字通「後」の項目を見る。
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後生
形成した時期より後の岩石の変質作用をいう.カタジェネシス(katagenesis)および初期(プロト─)変成作用(early(proto-)metamorphism)が含まれる[Loewinson-Lessing : 1925, Strakhov : 1967].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報