後身(読み)コウシン

精選版 日本国語大辞典 「後身」の意味・読み・例文・類語

こう‐しん【後身】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 生まれかわった身。生まれかわり。ごしん。⇔前身
    1. [初出の実例]「孔子は儒童菩薩の後身(コウシン)といへり」(出典:米沢本沙石集(1283)三)
    2. [その他の文献]〔魏書‐劉予業伝〕
  3. 境遇、性格などがすっかり変わってしまったあとの身。⇔前身
    1. [初出の実例]「勘解由相公者、是伴大納言之後身也」(出典:江談抄(1111頃)三)
  4. 団体や組織などで、以前にあったものを別の形で受けついでいるもの。以前の形から変化、発展したもの。⇔前身
    1. [初出の実例]「鹿鳴館の〈略〉後身(コウシン)が今の華族会館で」(出典:江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉一)
  5. 体の背中側。
    1. [初出の実例]「其刺(とげ)の長さ七八寸許り。恰も箭(や)の如し故に箭猪と名く。首及び後身(コウシン)に生ずる者尤も長し」(出典:造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉二編)

うしろ‐み【後身】

  1. 〘 名詞 〙
  2. からだの後ろの部分背後
    1. [初出の実例]「処が稲荷の鳥居先、〈略〉心得ぬと思うて、後ろ身に気を附けれど、尾の生えた体も見えず」(出典:歌舞伎・傾城青陽𪆐(1794)五つ目)
  3. うしろみごろ(後身頃)
    1. [初出の実例]「肩は七分後身にくりこしてあります」(出典:家事研究(1920)婦人改良常用服〈長尾糸〉)

ご‐しん【後身】

  1. 〘 名詞 〙 死後の身。生まれかわり。再誕こうしん
    1. [初出の実例]「在善悪之因縁、成劫壊劫、前身後身、禽獣魚虫、何物非流転之父母」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・為空也上人供養金字大般若経願文〈三善道統〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「後身」の読み・字形・画数・意味

【後身】こうしん

来世。〔魏書、劉子業伝〕子業、性尤も凶悖(きようはい)、~はし、其の新安王子鸞(しらん)をさしむ。死に臨んでじて曰く、惟だ願はくは後身復(ま)た天王の家に生まれざらん。

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