後退(読み)コウタイ

デジタル大辞泉 「後退」の意味・読み・例文・類語

こう‐たい【後退】

[名](スル)
後ろへさがること。「車を後退させる」⇔前進
勢いが衰えたり程度が低くなったりすること。「景気が後退する」「病気後退する」
[類語](1後ずさり下がる逆行逆流逆走あと戻り逆戻り後進退歩退行遡行後ろ向き/(2減退衰退衰弱衰微弱体化頓挫衰え下り坂下火退潮尻すぼまり廃頽落ち目左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る廃れる傾く寂れる衰える尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日じり安貧乏貧困貧窮貧苦窮乏困窮困乏困苦生活苦ひん赤貧極貧清貧貧寒素寒貧すかんぴん不如意ふにょい文無もんな末期的衰残地に落ちる没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落末路斜陽成れの果て見る影もない朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末尻すぼみ

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精選版 日本国語大辞典 「後退」の意味・読み・例文・類語

あと‐ずさり【後退】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あとすさり」「あとすざり」とも )
  2. 前を向いたままで後ろにさがること。あとじさり。
    1. [初出の実例]「此源五兵衛耒耜の用やうは、〈略〉あとすざりに一通りひけば、鍬をもてうち和げたるよりむらなく土も深く和らぎ」(出典:農具便利論(1822)中)
    2. 「用心しながら退却(アトスザリ)をして」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  3. 思いきって行動しないで、ぐずぐずすること。ためらって消極的な態度をとること。しりごみ。逡巡(しゅんじゅん)
    1. [初出の実例]「人夫等は応(いらへ)も得せで、互(かたみ)に面(おもて)をあはしつつ、逡巡(アトスサリ)して立もあがらず」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
  4. 近世和船荒天の時、安全を保つためにとる処置。船尾をさきにして船首から風波をうけるようにして流される状態をいう。その際、船首から碇(いかり)をつけた綱を数条「たらし」に引かせ、方向の安定を保つ。逆艫(さかども)
    1. [初出の実例]「碇二頭を舳の左右へ二房綱にして、跡すさりにし」(出典:東航紀聞(1851))

あと‐じさり【後退】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あとしさり」「あとしざり」とも )
  2. あとずさり(後退)
    1. [初出の実例]「あとしざりに退きし間」(出典:承応神事能評判(1653)八嶋)
  3. あとずさり(後退)
    1. [初出の実例]「逡巡 アトシザリ」(出典:書言字考節用集(1717)九)
  4. 昆虫「ありじごく(蟻地獄)」の異名。
  5. 動物「かにむし(擬蠍)」の異名。

こう‐たい【後退】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 後方へ退くこと。後ろへ下がること。あとずさり。⇔前進
    1. [初出の実例]「全速後退を命令して」(出典:海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉二五)
    2. [その他の文献]〔宋史‐律歴志三・応天乾元儀天暦〕
  3. 力や勢いが次第に衰えること。物事が好ましくない事態に向かって進むこと。
    1. [初出の実例]「銀子の病気もそれから又少し後退した」(出典:縮図(1941)〈徳田秋声〉裏木戸)

しり‐しさり【後退】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しりじさり」とも ) 前を向いたまま後ろへそろそろと退くこと。しりすさり。あとじさり。
    1. [初出の実例]「逡━は、しりしさりに退くぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)八)

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普及版 字通 「後退」の読み・字形・画数・意味

【後退】こうたい

退く。

字通「後」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「後退」の解説

後退 (アトビサリ)

動物。節足動物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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