御局(読み)オツボネ

デジタル大辞泉 「御局」の意味・読み・例文・類語

お‐つぼね【局】

宮中で、局(個室)を与えられた女官敬称
江戸時代将軍家・大名家で局を与えられた奥女中の敬称。また、その奥女中を取り締まった老女の敬称。
局女郎つぼねじょろう

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精選版 日本国語大辞典 「御局」の意味・読み・例文・類語

お‐つぼね【御局】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 宮中で、局(個室)を与えられていた女官。典侍、権典侍、掌侍、権掌侍、命婦、権命婦などの敬称。
    1. [初出の実例]「三位殿の御局(おつぼね)御産の事近付たりとて」(出典:太平記(14C後)七)
  3. 江戸時代、大奥で局を与えられていた奥女中、また、女中を取り締まった老女の敬称。三代将軍家光の乳母であった春日局(かすがのつぼね)などが有名。長局。
    1. [初出の実例]「おつぼねの才覚にて御機嫌程見合、御寝間ちかく恋を仕掛奉りしに」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)一)
  4. 切見世(きりみせ)にいた下等な売春婦。局女郎。
    1. [初出の実例]「よし原の御つぼね並みの人でなし」(出典:雑俳・柳多留‐二三(1789))
  5. 廊下をいう、盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧(1915)〕
    1. [初出の実例]「外のおつぼね(廊下)を誰かが通れば」(出典:いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉一)

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