〈みえいく〉ともいう。真言宗の開祖弘法大師空海は835年(承和2)3月21日に入定(にゆうじよう)した。この入定の日に勤修する法会を御影供といい,毎年(旧暦)修される正御影供(しようみえく)と月ごとの月並(つきなみ)御影供がある。御影供は弘法大師入定信仰に由来する。入定信仰の成立は延喜年間(901-923)以前と考えられるが,入定信仰の成立によって御影供と〈お衣替え〉の行事が始められた。御影供は910年(延喜10)に東寺で始められたといわれるが,信仰的行事は高野山が中心で,高野山の御影供は1057年(天喜5)明算(1021-1106)が始修したといわれる。旧の正御影供には,伽藍の御影堂の外陣(げじん)の戸が開けられ,新任の法師が,内々陣の真如親王筆になるという弘法大師寿像(生身の御影)の前で法要を勤める。このように御影供は弘法大師がまだ生きて衆生(しゆじよう)を済度しているという入定信仰に支えられたもので,高野山の奥院で毎日生身供(しようじんぐ)が供えられるのも同一の信仰による。
執筆者:和多 秀乗
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…真言宗の開祖弘法大師空海は835年(承和2)3月21日に入定(にゆうじよう)した。この入定の日に勤修する法会を御影供といい,毎年(旧暦)修される正御影供(しようみえく)と月ごとの月並(つきなみ)御影供がある。御影供は弘法大師入定信仰に由来する。…
…日蓮宗の各寺において,日蓮の忌日(10月13日)に営まれる,宗祖報恩のための法会をいう。御影供(みえいく),御影講(みえいこう)ともいうが,とくに〈御命講(おめいこう)〉(大御影供がなまってオメイクとなる)と称して,弘法大師忌の御影供と区別している。日蓮入寂の地である東京都大田区池上の本門寺と,杉並区堀ノ内の妙法寺の御会式はもっとも盛んである。…
…和国の教主といわれる聖徳太子の忌日(2月22日。現行では法隆寺が3月22~24日,四天王寺は5月22日)の法要は聖霊会(しようりようえ)とよび,真言宗の開祖空海の忌日(3月21日)には御影供(みえく)が営まれる。浄土宗開祖法然の場合(1月25日。…
※「御影供」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...
5/20 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫を追加
5/14 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新