デジタル大辞泉 「御」の意味・読み・例文・類語
ぎょ【御】[漢字項目]
〈ギョ〉
1 (「馭」と通用)馬を手なずけて操る。「御者」
2 扱いにくいものをうまくならす。コントロールする。「制御」
3 人民をならして治める。「御宇/統御」
4 (「禦」と通用)ふせぐ。「防御」
5 そば近く仕える人。「侍御」
6 天子の行為や持ち物に敬意を表す語。「御衣・御苑・御璽・御製・御物/還御・出御・渡御・崩御」
7 動作や持ち物に尊敬・丁寧などの意を表す語。「御意・御慶」
〈ゴ〉
1 の5に同じ。「
2 の6に同じ。「御所・御前・
3 の7に同じ。「
〈おん〉「御大・
〈お〉「御陰・御家芸・御世辞」
〈み〉「御子・
[名のり]おき・おや・のり・みつ
[難読]
お【▽御】
1 名詞に付く。
㋐尊敬の意を表す。相手または第三者に属するものに付いて、その所属、所有者を敬う場合と、敬うべき人に対する自己の物や行為に付いて、その対象を敬う場合とがある。「先生の
㋑丁寧に、または上品に表現しようとする気持ちを表す。「
2 女性の名に付いて、尊敬、親しみの意を表す。「
3 動詞の連用形に付く。
㋐その下に「になる」「なさる」「あそばす」「くださる」などの語を添えた形で、その動作主に対する尊敬の意を表す。「
㋑その下に「する」「いたします」「もうしあげる」などの語を添えた形で、謙譲の意を表し、その動作の及ぶ相手を敬う。「
㋒その下に「いただく」「ねがう」などの語を添えた形で、相手にあることをしてもらうことをへりくだって言う。「
4 動詞の連用形に付いて、軽い命令を表す。「用がすんだら早く
5 動詞の連用形や形容動詞の語幹に付いて、その下に「さま」「さん」を添えた形で、相手に対する同情やねぎらい、なぐさめの気持ちを表す。「
6 形容詞・形容動詞に付く。
㋐尊敬の意を表す。「
㋑丁寧、または上品に表現しようとする気持ちを表す。「
㋒謙譲または卑下の意を表す。「
㋓からかい、皮肉、
[用法]お・ご――「お(おん・おおん)」は和語であるから「お父さん」「お早く」のように和語に付き、「ご(ぎょ)」は「御」の漢字音からできた接頭語であるから「ご父君」「ご無沙汰」のように漢語(漢字音語)に付くのが一般的である。◇話し言葉での敬語表現にも多用され、漢語意識の薄れた語では、「お+漢語(漢字音語)」も少なくない。お客、お
ご【御】
1 《「
「伊勢の―もかくこそありけめと」〈源・総角〉
2 (「
「故
[接頭]主として漢語の名詞に付く。まれに和語に付いても用いられる。
1 他人の行為や持ち物などを表す語に付いて、その人に対する尊敬の意を表す。「
2 他人に対する行為を表す語に付いて、その行為の及ぶ相手に対する敬意を表す。「
3 ものの名に付いて、丁寧の意を表す。「
[接尾]人を表す語に付いて、軽い敬意を表す。「親
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おお‐ん〔おほ‐〕【▽御/▽大▽御】
1 神仏・天皇や貴族に関する語に付いて、高い尊敬の意を表す。
㋐主体自身や所有の主を敬う場合。「―かみ(大御神)」「―ぞ(御衣)」
㋑貴人に向かってする行為について、物や行為を受ける対象を敬う場合。敬うべきお方への…の意。
「(源氏ガ)召せば、(預リノ子ガ)―答へして起きたれば」〈源・夕顔〉
2 下に来る名詞が省かれて単独で名詞のように使われることがある。
「対の上の―(=
[補説]中古仮名文学では、多く漢字で「御」と記されるため、「おおん」か「おん」「お」か、読み方が決めにくいが、少数の仮名書き例からみて「おん」の発生は中古後期からと考えられ、中古中期までの「御」は「おおん」と読むのが妥当であるとされる。
おん【御】
[補説]中古の「御」は「おおん」と読むのが妥当とされる。中世ごろには「御所ざまの御やうも
み【▽御】
1 主として和語の名詞に付いて、それが神仏・天皇・貴人など、尊敬すべき人に属するものであることを示し、尊敬の意を添える。「
2 (「美」「深」とも書く)主として和語の名詞や地名に付いて、褒めたたえたり、語調をととのえたりするのに用いる。「