心臓の拍動を自覚し動悸を感ずる状態で,とくに心臓の拍動が異常に強く速くなっている場合に用いられる。原因としては,運動,精神的緊張,発熱などの肉体的・精神的負担の増大や,アルコール,カフェイン,ニコチンなどの嗜好品や薬物などによって,脈拍数が増したり血圧が上昇したりする場合と,心臓病や呼吸器病などの病的状態で,脈拍数が増したり,不整が起こったり,極端に脈拍が減少したりする場合,また大動脈瘤や心臓の拡大のために胸壁に拍動が強く伝わる場合などである。したがって,明らかに前者のような誘因によって起こっている場合は必ずしも病的状態とはいえない。自覚症状は,心臓の拍動が強いか速いために,拍動のたびごとに〈どきどき〉と規則的に感ずる場合,心臓の拍動のリズムが変化するときに胸やのどに〈どっきん〉と強く感じたり,胸がつまるように感じたりする場合,心臓の拍動が発作性頻拍などで極度に速くなるために〈どどどどどっ〉と早鐘を打つように感じる場合などがある。しばしば,息苦しさ,めまい,ほてり,吐き気,浮腫などの症状を合併する。脈をとると頻脈や不整脈を知ることができる。自覚症状が強く危険な頻拍が認められれば治療が必要であるが,一般には安静や鎮静薬で治まることが多い。
→脈拍
執筆者:細田 瑳一
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…胸がどきどきするという自覚症状。似たことばに心悸亢進tachysystoleがあるが,これは動悸とともに心臓部の不安感や心臓の存在感を伴うもので,動悸よりも広い概念をもつ。動悸は,心臓の収縮力が増強しているとき,発作性頻拍症などにより頻脈のあるとき,期外収縮など不整脈があるときや血流異常などによって生じる。…
…胸がどきどきするという自覚症状。似たことばに心悸亢進tachysystoleがあるが,これは動悸とともに心臓部の不安感や心臓の存在感を伴うもので,動悸よりも広い概念をもつ。動悸は,心臓の収縮力が増強しているとき,発作性頻拍症などにより頻脈のあるとき,期外収縮など不整脈があるときや血流異常などによって生じる。…
※「心悸亢進」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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