心眼(読み)シンガン

デジタル大辞泉 「心眼」の意味・読み・例文・類語

しん‐がん【心眼】

物事の真実の姿を見抜く、鋭い心の働き。心の目。しんげん。「心眼を開く」
[類語]眼識目利き洞察先見明察識見見識炯眼けいがん活眼慧眼眼力眼光達眼審美眼目が高い目が利く目が肥える鑑識眼

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精選版 日本国語大辞典 「心眼」の意味・読み・例文・類語

しん‐げん【心眼】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「げん」は「眼」の呉音 )
  2. 仏語。禅定三昧や智慧の力によって、肉眼では見られない物や一切の事理を見抜く働き。
    1. [初出の実例]「仏言、想念阿彌陀仏、真金色身、光明徹照、端正無比、在心眼前」(出典往生要集(984‐985)大文六)
    2. [その他の文献]〔観無量寿経〕
  3. 物事の真の姿を識別する心の働き。しんがん。
    1. [初出の実例]「上三花を面白やと見んは 上子の見風(けんぷう)也。〈略〉為手(して)見所(けんしょ)も、その分その分の心眼(シンゲン)也」(出典:拾玉得花(1428))

しん‐がん【心眼】

  1. 〘 名詞 〙 物事の真の姿をはっきり見分ける心の働き。しんげん。
    1. [初出の実例]「天地に有程に、文にかかわっては成まい、心眼開けいではしれまいぞ」(出典:古活字二巻本日本書紀抄(16C前)一)
    2. [その他の文献]〔画継‐九・雑説〕

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普及版 字通 「心眼」の読み・字形・画数・意味

【心眼】しんがん

ものをみわける力。眼識。〔画継、九〕其の鑒別を察するに、獨り(黄)山谷、最も嚴と爲す。元(米)、心眼高妙にして、立論中にぐる處り。

字通「心」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「心眼」の意味・わかりやすい解説

心眼
しんがん

落語。三遊亭円朝(えんちょう)が弟子の音曲師円丸の話を聞いてつくった一席物。按摩(あんま)の梅喜(ばいき)が、女房お竹の勧めで茅場町(かやばちょう)のお薬師さまに願掛けをして開眼する。その帰りに上総屋(かずさや)の旦那(だんな)に連れられて浅草仲見世(なかみせ)へ行く途中、旦那から、自分が好男子であること、お竹は人三化七(にんさんばけしち)であるが、気だてのよい貞女であることなどを聞く。梅喜は仲見世で芸者の小春に出会い、待合へ行き、小春と夫婦約束をする。そこへお竹が入ってくる。梅喜は女房に胸を締め付けられて「苦しい」といったとたんに目が覚める。「怖い夢でもみたのかい」というお竹のことばに「もう信心はやめた。盲人というものは妙なもんだ。眠っているうちだけ、ようく見える」。8代目桂文楽(かつらぶんらく)が得意とした。

[関山和夫]

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デジタル大辞泉プラス 「心眼」の解説

心眼

古典落語演目ひとつ。初代三遊亭圓朝の作とされる。八代目桂文楽が得意とした。

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