精選版 日本国語大辞典 「快」の意味・読み・例文・類語
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不快とともに感情においてもっとも基本的な傾向をなすものと考えられ、その起源は古代ギリシアにまでさかのぼることができる。アリストテレスは、感情の基本を快―苦痛に置き、人間の本性に従う活動はつねに快を伴うとした。その後長い間、快と対立するものは苦痛と考えられていたが、19世紀末に心理学を実験科学として確立したドイツの心理学者ブントは、感情の三方向説を唱え、感情要素を快―不快、興奮―沈静、緊張―弛緩(しかん)の三次元とし、あらゆる感情は、これら感情要素のうえに位置づけることができると主張した。それ以来、快と不快とが対立するものと考えられるようになった。また、興奮―沈静と緊張―弛緩との二次元は、感情要素とは認めがたいとする心理学者も現れたことから、快―不快をもっとも基本的な感情とする所説が支持されて今日に至っている。
人間には不快を避けて、快を求めようとする傾向がある。精神分析学ではこれを快感原則ということで説明しようとしているが、われわれの日常生活において多くの行動に快―不快という基本感情が随伴し、快の場合にはその行動を持続させる傾向があるのは心理学的事実である。
また、記憶における想起で、過去の不快な体験は比較的忘却されがちであり、快の体験のほうがより多く想起されることが明らかにされている。戦場では不快な体験が多いはずだが、後年の回想では、わずかばかりの快体験が過大に思い出されて、懐旧の情に駆られるという例はこれを説明している。
[花沢成一]
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