思い做し(読み)オモイナシ

デジタル大辞泉 「思い做し」の意味・読み・例文・類語

おもい‐なし〔おもひ‐〕【思い×做し】

そうであろうと思い込むこと。気のせい。
「―でもあろうが、其面相かおだちも大きく厳めしくなって」〈二葉亭訳・片恋
まわりの人が推定して決めること。世間評判
「これは、人の御きはまさりて、―めでたく」〈桐壺
[類語]忖度推察拝察高察賢察明察憫察びんさつ推測推量推考端倪たんげい邪推類推酌量了察推認推断推定斟酌しんしゃく憶測配慮揣摩しま揣摩憶測しまおくそく察し心配り気配り心遣い気遣い推し量る酌む酌み取る思い勘繰る思いやるおもんぱかる推し当てる心当て気を回す見越す察する感じ取る

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精選版 日本国語大辞典 「思い做し」の意味・読み・例文・類語

おもい‐なしおもひ‥【思為・思做】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はっきりした理由もなく、自分でそれだろうと思いきめること。先入観によって考えること。多く「に」を伴って副詞的に用いる。
    1. [初出の実例]「わたらせ給ふ儀式、かはらねど、思なしに、あはれにて、ふるき宮はかへりて旅心地し給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
    2. 「玉枝は思いなし顔を伏せていった」(出典:越前竹人形(1963)〈水上勉〉一〇)
  3. ( まわりの人が推量してきめる意から ) ある人に対して他の人が持つ感じ。先入観をまじえた世間の評判。
    1. [初出の実例]「人の御きはまさりて、思なしめでたく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  4. おもいなし(思為)の句

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