思い切る(読み)オモイキル

デジタル大辞泉 「思い切る」の意味・読み・例文・類語

おもい‐き・る〔おもひ‐〕【思い切る】

[動ラ五(四)]
あきらめる。断念する。「画家になる夢を―・る」
決心する。覚悟する。
「しばらく間を置いて、姉は―・ったように、言葉をつづけた」〈永井竜男胡桃割り
あきらめる用法] →思い切った思い切って
[類語](1ぎゃふんお手上げ諦める断念観念往生諦念ていねん諦めギブアップくじける降参閉口辟易へきえき屈伏シャッポを脱ぐ途方に暮れる始末に負えない手に負えない手も足も出ないへこたれる参る/(2踏み切る思い立つ志す志を立てる腹を決める腹を固める腹を括る腹を据える

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精選版 日本国語大辞典 「思い切る」の意味・読み・例文・類語

おもい‐き・るおもひ‥【思切】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. かたく決心する。決死の覚悟をする。→おもいきって
    1. [初出の実例]「いかにしてのがるべしとは覚えねど、おもひきって雲霞の如くなる敵のなかをわって通る」(出典:平家物語(13C前)八)
  3. きっぱりとあきらめる。
    1. [初出の実例]「今はかかる方に思きりつる有様になん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
  4. ( 自動詞的に ) 他を気にしないで大胆に行なう。→おもいきった
    1. [初出の実例]「京なればこそ、かほるなればこそ、思ひ切(キッ)たる風俗と」(出典浮世草子・好色一代男(1682)七)

思い切るの補助注記

の「源氏」の例は、「おもひかきりつる」となっている伝本が多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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