思春期(読み)ししゅんき

精選版 日本国語大辞典 「思春期」の意味・読み・例文・類語

ししゅん‐き【思春期】

〘名〙 第二次性徴が現われ、子どもからおとなになりかける、心身ともに不安定な時期。男では一三歳頃から一七歳頃まで、女では一二歳頃から一七歳頃まで。春機発動期。〔新時代用語辞典(1930)〕
林檎の下の顔(1971‐73)〈真継伸彦〉一「思春期にはいわゆる赤面恐怖症対人恐怖症傾向が顕著になって」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「思春期」の意味・読み・例文・類語

ししゅん‐き【思春期】

青年期前期第二次性徴が現れ、生殖が可能となって、精神的にも大きな変化の現れる時期。ふつう12歳から17歳ごろまでをいう。春機発動期。
[類語]未成年少年若輩若造青二才・年少者・子供ティーンエージャーティーンローティーンハイティーン十代

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「思春期」の意味・わかりやすい解説

ししゅんき【思春期 puberty】

青年期adolescenceとほぼ同義で,児童期から成人期へと移行する中間の時期をいう。ただし思春期というときは,青年の性的成熟焦点が合わされる。つまり,小学校高学年ころから始まる二次性徴出現(性徴),それに少しおくれて始まる異性への性欲的関心,異性への恋愛感情などに注目しての表現である。もちろんこの性的成熟は,この時期の人間にとってもっとも重要な発達課題developmental taskであるが,しかしそのほかにも抽象的思考力の発達,自分らしい生き方の模索など重要な発達課題がいくつかあり,それらを総合的に考えるとき,今日では青年期という,より広い概念が使われる傾向にある。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「思春期」の意味・わかりやすい解説

思春期【ししゅんき】

小学校高学年のころから始まる第2次性徴の出現や,続いて現れる異性への性欲的関心などの児童期から成人期へと移行する中間の時期。英語ではadolescence。青年期とほぼ同義だが,思春期という場合には性的成熟に焦点が合わされる。それに伴い感受性や気分の高揚,それまで未分化に結びついていた環境からの分化・独立に起因する不安・動揺がみられ,これらは第2反抗期と呼ばれる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「思春期」の解説

思春期

 小児が成人に変化する時期.一般的には12〜20歳の時期を指す.第二次性徴などが現れる.前期,中期,後期に分けられることがある.自己同一性形成の時期.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「思春期」の意味・わかりやすい解説

思春期
ししゅんき

青年期

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の思春期の言及

【春機発動期】より

…動物の生殖腺(性腺)が成熟し,二次性徴が発現しはじめ,生殖可能になる生活史上の時期をさし,哺乳類に対してとくに用いる。ヒトでは思春期ともいう。たとえば,ヒトの場合,男性では急速な成長,恥毛や顔にひげの出現,声が低く太くなり,精神面での変化がともなう。…

【成長】より

…もっともよく用いられている区分法では,発育期は新生児期,乳児期,幼児期,少年期,青年期,成人期と六つの時期に区分される。少年期から青年期への移行期が思春期である。(1)体位の発育 身長,体重,頭囲,胸囲,座高などの身体計測値は,各人の総合的な発育の目安とされるが,いずれもほぼS字型のなだらかな曲線を描いて,青年期まで増大を続ける(ただし,頭囲だけは例外で,乳児期の発育速度が最大,スキャモンの成長型では脳・神経型に近い)。…

【青年】より

…第1に,細分化されたライフサイクル上で青年は比較的自立した移行期の位置を占めており,同時に青年期内部での分化が進んだ。今日では,第二次性徴の見られる女子10歳,男子12歳ころから14,15歳ころまでを青年期前期(思春期前期),14,15歳ころから18,19歳ころまでを青年期中期(思春期後期),18,19歳ころから30歳ころまでを青年期後期と区分する場合が多い。第2に,青年は孤独と内面の嵐の中に,自我の確立をめざすという顕著な行動特性を示した。…

【青年期】より

児童期と成人期の中間の時期をいう。思春期とほぼ同義だが,思春期というときは主として青年の身体的・性的成熟に焦点が合わされるのに対し,青年期というときは性的成熟以外の心理的・社会的成熟も念頭において,より全体的に,より広い観点でみている。青年期は身体的・性的成熟の起始とともにはじまり,心理的・社会的成熟の獲得で終わる。…

【反抗期】より

…この時期を反抗期というが,否定的行動が多彩に現れるので否定期と呼ぶこともある。今日では〈第1反抗期〉(幼児期),〈第2反抗期〉(思春期)をあげる2期説が一般的である。いずれも自我意識の発達に伴う自立・独立の欲求の高まりがその背後にある正常な現象であり,人格発達上重要な意義をもつものである。…

※「思春期」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ダモクレスの剣

常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。シラクサの僭主ディオニュシオス1世の廷臣ダモクレスが王者の幸福をたたえたので,王がある宴席でダモクレスを王座につかせ,その頭上に毛髪1本で抜き身の剣をつるし,王...

ダモクレスの剣の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android