家庭医学館 「性腺機能低下症」の解説
せいせんきのうていかしょう【性腺機能低下症 Hypogonadism】
性腺(せいせん)(精巣(せいそう)または卵巣(らんそう))が機能不全をおこす病気です。
配偶子(はいぐうし)(精子(せいし)や卵(らん))をつくる機能と性ホルモンを分泌(ぶんぴつ)する機能の両方が障害されますが、小児期には性ホルモンの不足による症状で気づかれます。
原因は、性腺自体に原因がある場合(ターナー症候群、クラインフェルター症候群など)と、脳下垂体(のうかすいたい)からの性腺刺激ホルモンの不足による場合(カールマン症候群、脳腫瘍(のうしゅよう)など)とがあります。
[症状]
男女とも、二次性徴(にじせいちょう)がなかなか現われないことで気づきます。成長スパートもおこらないので、思春期に低身長の傾向が現われます。
[治療]
男子では男性ホルモンの注射(2~4週に1回)を、女子では女性ホルモンの内服を、少量から徐々に増量します。この方法で、二次性徴(月経様性器出血(げっけいようせいきしゅっけつ)を含む)を発来させ、おとなと同じからだつきに完成することができます。
しかし、子どもをつくる能力(生殖能力)を獲得するためには、性腺刺激ホルモンの注射など、より上位から性腺に刺激を与える治療が必要です。