性行為感染症(読み)セイコウイカンセンショウ

デジタル大辞泉 「性行為感染症」の意味・読み・例文・類語

せいこうい‐かんせんしょう〔セイカウヰカンセンシヤウ〕【性行為感染症】

性行為によって感染する病気総称梅毒淋病りんびょうなどの性病エイズ性器ヘルペス症・クラミジア感染症ちつトリコモナス症・膣カンジダ症ケジラミ症など。性感染症STD(sexually transmitted disease)。→感染症予防法性病

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百科事典マイペディア 「性行為感染症」の意味・わかりやすい解説

性行為感染症【せいこういかんせんしょう】

性交または類似の行為により感染する諸疾患の総称sexually transmitted diseases(略称STD)で,性病を含む。1970年代ころから多様化した性行為,海外旅行者の増加とともに感染症の種類が増加した。とくに,不特定のセックス・パートナーをもつ人は,感染する危険性が高い。エイズはSTDの代表例。感染方式には通常の性交のほか,口腔や性器へのキスによる経口感染肛門性交などがある。病原体は大別すると,細菌ウイルスマイコプラズマクラミジア真菌寄生虫
→関連項目尖圭コンジローム低用量ピル

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六訂版 家庭医学大全科 「性行為感染症」の解説

性行為感染症(STD)
(女性の病気と妊娠・出産)

 性行為で感染する可能性のある感染症の総称ですが、性感染症と呼ぶほうが一般的です。

 婦人科領域で扱う性感染症は、性器クラミジア症、性器ヘルペス症尖圭(せんけい)コンジローマ、梅毒(ばいどく)淋菌(りんきん)感染症、トリコモナス症などがあります。これらの多くは女性器に何らかの症状が現れ、婦人科を受診すれば診断が可能です。性感染症には、HIV感染症(エイズ)やウイルス性肝炎など全身症状を主症状とする病気も含まれます。

 いわゆる「性の自由化」が進んだため、最近、性感染症が蔓延(まんえん)する傾向にあります。予防のためには、不特定多数との性交渉を避け、コンドームを性行為の間を通して用いるなど、一人ひとりの自覚が重要であることが指摘されています。

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世界大百科事典 第2版 「性行為感染症」の意味・わかりやすい解説

せいこういかんせんしょう【性行為感染症 sexually transmitted diseases】

略称STD。性病を含めて性交ないし類似の行為により感染する諸疾患の総称。1970年代になり性行為の多様性が起こり,とくに欧米の同性愛男性間における性行動の活発化とともに,性行為による感染症の種類が増加してきた。感染方式には,通常の性交のほか,口腔や性器へのキスなどによる経口感染や同性愛男性間に行われる肛門性交,さらにはベッドを同じくすることによる寄生虫の感染などがあり,きわめて複雑である。そこで,近年,こうした性行為による感染症を総称して性行為感染症とよぶようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「性行為感染症」の意味・わかりやすい解説

性行為感染症
せいこういかんせんしょう

性病

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世界大百科事典内の性行為感染症の言及

【外陰炎】より

…通常の皮膚・粘膜にみられるかぶれ,間擦疹,毛囊炎,癤(せつ)などの炎症性疾患と,性器に特有な炎症とがある。後者には,性行為と関連する感染症(これを性行為感染症という)すなわち性病,性器ヘルペス症,トリコモナス症や真菌(カンジダ)症,バルトリン腺炎などがある。年齢によって好発疾患が異なる。…

【性病】より

…俗に花柳(かりゆう)病などともいわれた。また,性病も含め,性行為によって感染する諸疾患を,性行為感染症と総称する。
[性病の歴史]
 性病によると思われる外陰部の潰瘍については,すでにヒッポクラテスの時代にすでに記載されていた。…

※「性行為感染症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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