悠揚(読み)ユウヨウ

デジタル大辞泉 「悠揚」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐よう〔イウヤウ〕【悠揚】

[ト・タル][文][形動タリ]ゆったりとしてこせこせしないさま。落ち着いているさま。「悠揚たる物腰」「悠揚迫らぬ態度で対する」
[名]ゆるやかにあがること。また、はるか遠くまで届くこと。
「梵音雲に―す」〈太平記・二四〉
[類語]落ち着く冷静沈着平静悠然泰然綽然しゃくぜん自若どっしり悠悠浩然気長伸び伸び伸びやかのどかのんびり屈託無い自然体悠長でんとどっかとどっかり腰を据える太っ腹堂堂正正堂堂毅然心静か穏やか温和物静かおとなしやか安らか安穏のんどり広い寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大様おおよう大らかおっとりさりげない何気ないそれとなくそれとなしに何心ない遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆太っ腹雅量大量泰然自若肝が据わる腹が据わる

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精選版 日本国語大辞典 「悠揚」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ようイウヤウ【悠揚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動タリ )
  2. ( ━する ) ゆっくりと上がりひろがること。遠くはるかにとどくこと。はるかかなたにただようこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「悠揚逆旅任浮萍、客涙為之夜々零」(出典本朝無題詩(1162‐64頃)七・四羇旅秋夜〈藤原周光〉)
    2. 「天花風に繽紛として梵音雲に悠揚(ユウヤウ)す」(出典:太平記(14C後)二四)
    3. [その他の文献]〔白居易‐李夫人詩〕
  3. ゆったりとして、落ち着いているさま。
    1. [初出の実例]「而かも余の如く自得悠揚たる能はざるは自然の道理也」(出典:一年有半(1901)〈中江兆民〉一)

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普及版 字通 「悠揚」の読み・字形・画数・意味

【悠揚】ゆうよう(いうやう)

のどやかにおちつく。ゆれ動きする。唐・銭起〔鍾評事の宏詞に応じ、下第して東帰するを送る〕詩 世事、悠揚たり、春の裏(うち) 年光、寂たり、愁の中

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