情欲(読み)ジョウヨク

デジタル大辞泉 「情欲」の意味・読み・例文・類語

じょう‐よく〔ジヤウ‐〕【情欲/情×慾】

性的な満足を得るための、肉体的な欲望。色情。色欲。「―をそそる」
だれもがもっている世俗的な欲望。
「痛きものを遠ざけ甘きものを取るは人の―なり」〈福沢学問のすゝめ
[類語]性欲愛欲色欲肉欲淫欲欲情色情劣情痴情情炎

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精選版 日本国語大辞典 「情欲」の意味・読み・例文・類語

じょう‐よくジャウ‥【情欲・情慾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 感情の動き。
    1. [初出の実例]「時質人淳、情欲無分、和歌未作」(出典古今和歌集(905‐914)真名序)
  3. 仏語。物事をむさぼり、執着する欲望。
    1. [初出の実例]「此愛心をたち、此の情欲をやめて、真実に解脱の門に入り、自性清浄の躰を見るべし」(出典:貞享版沙石集(1283)七)
    2. [その他の文献]〔法苑珠林‐二〕
  4. 心に起こる欲望。世俗的、刹那的な欲望。
    1. [初出の実例]「わかき時は血気うちにあまり、心物にうごきて情欲おほし」(出典:徒然草(1331頃)一七二)
    2. 「それ人間は情欲(ジャウヨク)の動物なるから」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)
    3. [その他の文献]〔史記‐礼書〕
  5. 異性に対する性的な欲望。色情。色欲。
    1. [初出の実例]「凡生ある者は陰陽の夫婦和合のみちあり。さあれば情慾のなさけ婬欲のないことはないと云ことないぞ」(出典:玉塵抄(1563)二三)
    2. [その他の文献]〔論衡‐物勢篇〕

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普及版 字通 「情欲」の読み・字形・画数・意味

【情欲】じよう(じやう)よく

欲望。〔論衡道虚〕夫(そ)れ木は無欲なるも、壽、を踰(こ)えず。人は欲多きも、壽、百に至る。~夫れ是(かく)の如くならば、老子、恬淡無欲を以て、壽度世とするは、復(ま)たなり。

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