感電(読み)かんでん

精選版 日本国語大辞典 「感電」の意味・読み・例文・類語

かん‐でん【感電】

〘名〙 体の一部電気の流れている導体に触れて衝撃を感じること。転じて、鋭敏に心に感じること。
※地に頬つけて(1915)〈谷崎精二〉五「帽子徽章に感電して死んだ人や」

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デジタル大辞泉 「感電」の意味・読み・例文・類語

かん‐でん【感電】

[名](スル)電流身体に流れて衝撃を受けること。「落雷感電する」「感電死」
[類語]電気陽電気正電気陰電気負電気静電気電磁気電場電界電流直流交流整流電圧電気抵抗発電送電配電通電電動電源電荷荷電帯電充電蓄電放電

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「感電」の意味・わかりやすい解説

感電
かんでん

電気充電部に人間または動物の生体が接触し、生体内に電流が流れる現象。直接生体に加わる電圧を接触電圧といい、この電圧の高低により電流量に差が生じ、生体への反応も変化する。接触電圧は、充電部の電圧の高さとともに、生体が置かれた電気的環境により、電撃(感電によって受ける衝撃)となって大きく影響する。たとえば、乾燥した状態で皮膚面の電気抵抗が高くなっているときや、大地との間に絶縁性の大きな履き物をつけた場合などでは、生体に加わる接触電圧は低くなって電撃は小さいが、はだし湿気のある大地に立ったり、ぬれた手で充電部に触れたときは、充電電圧に近い接触電圧となり、電撃も激しくなる。

 電撃による傷害には個人差があるが、10ミリアンペアで痛みを感じ、20ミリアンペアでは筋肉が激しく収縮し、50ミリアンペアを超えるとやけどを生じて感電死することもある。生体が充電部に接触した部分と大地にアースした部分により、電流が体内を通過する部位が異なり、傷害の程度に差が生ずる。とくに心臓に電流が通過したときは、死亡率がきわめて高く危険である。

 電気施設では、できるだけ生体が充電部に触れないような注意が払われている。電気関係法規でも、感電による災害防止に重点が置かれ、それぞれ場所によって使用電圧にも制限が設けられている。

[越野一二]

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百科事典マイペディア 「感電」の意味・わかりやすい解説

感電【かんでん】

生体を電流が流れること。これによる傷害を電撃傷という。落雷や送電線,配電線に接触したために起こる。電流が心臓を通過すると心停止,呼吸停止,ショックなどの重篤な症状をひき起こし,死亡(電撃死)するものもある。生命はとりとめても電流の流出入部の皮膚に表皮剥離(はくり),潰瘍(かいよう),電紋,電流斑などを生じ,末梢(まっしょう)神経を破壊するため,難治のことも多い。電撃の影響は通電電流と通電時間によるといわれており,100ボルトの電圧でも電撃死することがある。

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世界大百科事典 第2版 「感電」の意味・わかりやすい解説

かんでん【感電】

電流が生体を流れることによって起こる生理的変化。感電によって生ずる損傷を電撃傷electric injuryという。電撃傷には,電流が生体を流れて起こる損傷と,アークまたはスパークが生体に当たって起こる火傷とがある。後者は落雷や工場災害で多く発生し,骨が溶けるほどの高温(約2500℃)のため,深い火傷となる。前者は家庭用電灯線(100V)でも起こるが,多くは高圧送電線や工場内配線(数千~数万V)で起こり,直流よりも交流のほうが起こりやすい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「感電」の意味・わかりやすい解説

感電
かんでん

電気障害」のページをご覧ください。

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