慈しむ(読み)イツクシム

デジタル大辞泉 「慈しむ」の意味・読み・例文・類語

いつくし・む【慈しむ/愛しむ】

[動マ五(四)]目下の者や弱い者に愛情を注ぐ。かわいがって大事にする。「わが子を―・む」
[補説]平安時代の「うつくしむ」が、「いつ(斎)く」への連想などの結果語形が変化し、中世末ごろ生じた語。
[可能]いつくしめる
[類語]かわいがるいとおしむ愛でる愛する寵愛

うつくし・む【慈しむ/愛しむ】

[動マ四]かわいがる。いつくしむ。大切にする。うつくしぶ。
「憎げなる稚児ちごを、おのが心地のかなしきままに、―・み、愛しがり」〈九六

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「慈しむ」の意味・読み・例文・類語

いつくし‐・む【慈・愛】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 ( 古くは「うつくしむ」 ) たいせつにする。いとおしむ。かわいがる。
    1. [初出の実例]「継母も、後にはへだてなくいつくしみ」(出典:御伽草子・二十四孝(室町末))
    2. 「幼少の折より〈略〉撫で愛(イツクシ)まれ」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

うつくし‐・む【慈・愛】

  1. 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 大切にする。いとおしむ。かわいがる。
    1. [初出の実例]「心に仏の道をたふとびうつくしみ人の苦しみを救ふ」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
    2. 「宮のいみじううつくしうおはしますを、二位笑みまけうつくしみ奉り給ふ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浦々の別)

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