手ずから(読み)テズカラ

デジタル大辞泉 「手ずから」の意味・読み・例文・類語

て‐ずから〔‐づから〕【手ずから】

[副]
直接自分の手で。自分で手を下して。「会長手ずから賞状を授与する」
みずから。自分自身で直接。→ずから
「御―しつらひおき給ひし所に」〈宇津保・俊蔭〉
[類語]みずから直直じきじき直接直接的じか身を以て自発的親しくダイレクトアクティブアグレッシブ故意作為作為的意識的意図的未必の故意ことさら自主的主体的意欲的能動的積極的精力的好んであえて進取進んで求めて喜ぶ喜んで前向き乗り気我先我勝ちえいやっと我劣らじとわざとらしい止むに止まれぬ及ばずながら献身的強気強引押して努めて曲げて断固断然思い切ってるか反るか思う様思う存分存分思いのまま力一杯精一杯率先果敢惜しみない意気込む本腰本腰を入れる入れ込むひたむき奮って活動的わざわざわざと強いてたってことさら我も我もしゃかりきしゃにむにどしどしポジティブ

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精選版 日本国語大辞典 「手ずから」の意味・読み・例文・類語

て‐ず‐から‥づ‥【手から】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「手」に、助詞「つ」、名詞「から(柄)」の付いてできたもの。→助詞「から」の補注 )
  2. 他人にさせないで、直接自分の手をくだしてするさまをいう。自分の手で。
    1. [初出の実例]「自手(テづかラ)種種の多美の飯食を斟酌して」(出典:小川本願経四分律平安初期点(810頃))
    2. 「紫毫(しがう)をふるって手つから御作をかき」(出典:平家物語(13C前)四)
    3. 「試験の後、此児童等に、手づから卒業証書を与へられたりと云ふ」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉七)
  3. 一般に、動作、行為を間接的でなくするさまをいう。みずから。自分で。
    1. [初出の実例]「腹だちののしれば、おとどてづからいまして」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. 「侍などにあるものを具して来ても呼ばせよかし。てづから、声もしるきに」(出典:枕草子(10C終)五七)

手ずからの補助注記

「手」に尊敬接頭語を付けた形も見られる。「万葉‐八一三」の「真珠なす 二つの石を〈略〉み弖豆可良(テツカラ) 置かし給ひて」、「東大寺諷誦文平安初期点」の「仏、彼所(そこ)に至りて自(オホミテツ)から洗ひ着せたまひたり」など。

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