手回り(読み)テマワリ

デジタル大辞泉 「手回り」の意味・読み・例文・類語

て‐まわり〔‐まはり〕【手回り】

手の届くあたり。身のまわり。身近。また、身辺に置いて使うもの。「手回り小間物
常に身近に仕える者。また、身辺を護衛する者。
「―少々御供にて」〈浄・嫗山姥
家計。暮らし向き。
「―もよく幾はへか庭に五つのたなつ物」〈浄・宵庚申
[類語]手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近目前鼻先手が届く指呼しこ咫尺しせき目睫もくしょうかん目と鼻の先身近手近卑近身辺そばかたわわき片方かたえ手もと近く付近近辺近傍近所最寄りもと足元座右左右身の回りまのあたり目睫もくしょう面前目の前眼前現前目先鼻面はなづら鼻っつら前面正面真ん前手前先方直前

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精選版 日本国語大辞典 「手回り」の意味・読み・例文・類語

て‐まわり‥まはり【手回・手廻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手の届くあたり。身の回り。身辺。てもと。てぢか。また、身辺に置いて使うもの。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「私用は、飲食、衣服、宮室、妻妾、てまわりにさしつかふ臣僕などのざうようなり」(出典:翁問答(1650)下)
  3. いつも傍に侍っている者。常に身近に仕えて主人の雑用にあたる者。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「お姫様といふものは、〈略〉お手廻(テマハ)りばかり遣うて、御自分でなさるものではござりませぬわいな」(出典:歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)五立)
  4. 大将の側近くに仕える護衛の武士
    1. [初出の実例]「家の後見なかみつをはじめ、御てまはりの若侍、かれ是三十五き」(出典:浄瑠璃・宇治の姫切(1658)二)
  5. 暮らし向き。
    1. [初出の実例]「手廻りもよくいくはへか庭に五つのたなつ物」(出典:浄瑠璃・心中宵庚申(1722)中)
  6. てまわし(手回)
    1. [初出の実例]「力も入ずしてしかも一人して手廻(てマハ)りよく是をはじめける」(出典:浮世草子日本永代蔵(1688)五)
  7. てまわし(手回)
    1. [初出の実例]「日々の課業(しごと)を定め置けば必ず手廻りも能く事も捗取るものにして」(出典:経済小学家政要旨(1876)〈永峰秀樹訳〉三)

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