手妻(読み)テヅマ

デジタル大辞泉 「手妻」の意味・読み・例文・類語

て‐づま【手妻/手爪】

2原義手品奇術
手先。また、手先の仕事
「―の利きし人は間もなく数釣りけるに」〈浮・俗つれづれ〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手妻」の意味・読み・例文・類語

て‐づま【手妻・手爪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手先。また、手先の仕事。
    1. [初出の実例]「世わたる業には染紙色糸をもてつくり花を手づまにして」(出典:浮世草子・諸国心中女(1686)二)
  3. 手つき。小手先のわざ。手わざ。腕前。
    1. [初出の実例]「たなばたはげにもきひたる手つま哉〈貞室〉」(出典:俳諧・玉海集(1656)三)
    2. 「手づまのきいたかるい料理よりは」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂)
  4. 手品。奇術。
    1. 手妻<b>③</b>〈金草鞋〉
      手妻〈金草鞋〉
    2. [初出の実例]「春の風障子の穴をつつくりて 早き手つまに山を出します」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第二七)
  5. てづまあやつり(手妻操)」の略。
    1. [初出の実例]「此蓮生が手づまにて、梶原平次といふ人ぎゃうつかふて御めにかけん」(出典:浄瑠璃・佐藤忠信廿日正月(1710頃)中)
  6. てづまにんぎょう(手妻人形)」の略。
    1. [初出の実例]「松田、出羽、竹田が唐操、手妻(テヅマ)も不及」(出典:譬喩尽(1786)五)
  7. ( 手を妻とする意から ) 自慰

て‐ずま‥づま【手妻】

  1. 〘 名詞 〙てづま(手妻)

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改訂新版 世界大百科事典 「手妻」の意味・わかりやすい解説

手妻 (てづま)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の手妻の言及

【奇術】より

…合理的な手段を用いて人工的な奇現象を創造し,みる人を楽しませることを目的とした芸能もしくは娯楽。〈手品〉〈手妻〉などともいう。紀元前後,アレクサンドリアのヘロンが祭壇で火を燃やすと,神殿の扉が開くといった自動装置をいくつか発明したが,トリッキーな奇術的発想はあっても,芸能的要素がないため奇術とはいいがたい。…

※「手妻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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