手書(読み)シュショ

デジタル大辞泉 「手書」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐しょ【手書】

[名](スル)
自分の手で書くこと。また、書いたもの。
自筆手紙親書
[類語](2手紙書簡書信書状書面紙面信書私信私書しょ一書親書手簡書札しょさつ尺牘せきとく書牘しょとく雁書がんしょ雁信がんしん消息便りふみ玉章たまずさレター封書はがき絵はがき郵便

て‐かき【手書(き)】

文字をじょうずに書く人。能書家。能筆。
小野道風と云ふ―を以て」〈今昔・二四・三一〉
記録する役目書記
「―に具せられたる大夫房覚明たいふばうかくめいを召して」〈平家・七〉

て‐がき【手書(き)/手描(き)】

印刷したりタイプライターなどを使ったりしないで、自分で文字や絵を書くこと。また、書いたもの。「―の年賀状
型紙によるり染めや機械捺染なっせんではなく、手で描いて模様を染色すること。また、その染め物。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手書」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐しょ【手書・手署】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 直接、自分の手で書くこと。また、そのもの。自筆の手紙。親書。
    1. [初出の実例]「冝具得手書牒所司、待報処分、撰択替補」(出典続日本紀‐和銅六年(713)五月己巳)
    2. 「ゆかりたる物々中に手書(シュショ)(〈注〉テカキ)して渡世しけるが」(出典:雑談集(1305)一〇)
  3. 自分の手で自分の氏名を書くこと。自署
    1. [初出の実例]「契約書に博士の手書(シュショ)を迫る」(出典:歌劇フォーストを聴くの記(1907)〈永井荷風〉)

て‐かき【手書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 写経生のこと。
    1. [初出の実例]「書生(テカキ)を聚めて始めて一切経を川原寺に写す」(出典:日本書紀(720)天武二年三月(北野本訓))
  3. 文字を上手に書く人。能筆家。
    1. [初出の実例]「道風はなちては、いとかしこき手かきにおぼして」(出典:重之集(1004頃))
  4. 貴人に侍して、物を書く役目をする者。書記。右筆
    1. [初出の実例]「木曾大に悦て、手書に具せられたる大夫房覚明をめして」(出典:平家物語(13C前)七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「手書」の読み・字形・画数・意味

【手書】しゆしよ

自筆。また、親書。〔漢書宣伝〕(宣)手自ら牒書(てふしよ)して其の姦臧を條し、封じて(楊)湛に與へて曰く、~相ひ暴(ばくしゃう)するにびず、故に密(ひそ)かに手書を以て相ひ曉(さと)し、君自らを圖らんことを欲す。復(ま)た後に伸眉(安心)すべしと。

字通「手」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の手書の言及

【手紙】より

…手紙は近世になって一般に用いられた用語で,本来文字としては,文,書,状,柬(かん),箋(せん),簡,牘,札,信などがあり,原義により微妙な異同があるが,これらの組合せで,現在流通している〈てがみ〉を指示する。手には,手習い(習字)のように,筆の跡,筆跡の意味もあり,また手みずからの意味を合わせて,手簡(しゆかん),手書(しゆしよ),あるいは真実吐露の意味,まこと,しるしをも示して,書信といい,ことさら私的内容を強調して私信ともいう。いずれも音信(おとずれ),たよりを意味し,故事より雅言として,鯉素(りそ),雁札(がんさつ)ともいう。…

※「手書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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