打壊し(読み)ウチコワシ

デジタル大辞泉 「打壊し」の意味・読み・例文・類語

うち‐こわし〔‐こはし〕【打(ち)壊し/打ち毀し】

たたいたりしてこわすこと。
江戸中期以降、凶作や買い占めなどで生活難におちいった民衆が、集団米屋・高利貸し・酒屋などの富商を襲って家屋などを破壊し、米・銀などを奪ったこと。

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精選版 日本国語大辞典 「打壊し」の意味・読み・例文・類語

うち‐こわし‥こはし【打壊・打毀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うちこわすこと。
    1. [初出の実例]「いろいろ手を尽して此隔(へだて)打壊(ウチコハ)しに懸れど」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)
  3. 江戸中期以後、凶作などで米価が騰貴し生活苦に迫られた町方の貧民大衆が、米屋、質屋、酒屋などの富商の家宅を破壊し、米銀を奪い、物資廉売を要求するなどしたこと。
    1. 打壊し<b>②</b>〈幕末江戸一揆〉
      打壊し〈幕末江戸一揆〉
    2. [初出の実例]「天明打こはし一件〈略〉上方辺も打こはしのはやりける事、右同様なりと噂しけるも」(出典:随筆・一話一言(1779‐1820頃)補遺)

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