精選版 日本国語大辞典 「打破」の意味・読み・例文・類語
うち‐やぶ・る【打破】
[1] 〘他ラ五(四)〙
① たたいて壊す。うちくだく。
※明月記‐治承四年(1180)九月一五日「天中有二光物一〈略〉須臾破裂如レ打二破炉一、火散二空中一了」
② 敵を攻めて負かす。撃破する。突破する。
※承久軍物語(1240頃か)三「そこをもうちやぶりのぼるほどに、越前の国にせめ入り給ひけり」
③ 物にあてたりして傷つける。
※仮名草子・浮世物語(1665頃)四「道中にて転び倒れ、顔を擦り剥き足を打やぶり」
④ (「うち」は接頭語) ほったらかす。捨て去る。
⑤ (「うち」は接頭語) 議論や運動の試合などで相手を負かす。
※雨の日ぐらし(1891)〈山田美妙〉糸犬一郎「稍有ってまた姉の言葉を打(ウ)ち破(ヤブ)る言ひ草を考へ出しました」
⑥ (「うち」は接頭語) 興行が大当たりをとる。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)三「竹本義太夫曾根崎の心中で打破たの」
[2] 〘自ラ下二〙 (「うち」は接頭語) 裂ける。切れて分かれる。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「うちやぶれたるびゃうぶ一よろひばかり」
うち‐や・る【打破】
〘他ラ四〙 たたいて壊す。打って傷をつける。
※御伽草子・福富長者物語(室町末)「うちやられし頭より、御かはくだりに血をあへして」
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