投首(読み)ナゲクビ

デジタル大辞泉 「投首」の意味・読み・例文・類語

なげ‐くび【投(げ)首】

首を前に投げ出すようにうなだれること。取るべき手段・方法がなく思案にくれるようすをいう。「思案投げ首
「勇みかけても―に、目も泣きはらして返事もせず」〈浄・反魂香

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精選版 日本国語大辞典 「投首」の意味・読み・例文・類語

なげ‐くび【投首】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 投げ出すように前に首を傾けること。「思案投首
    1. [初出の実例]「なかなかしくも鶴のなげ首(クビ) ひょうたんは風にふらふらなりさがり〈貞義〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)五)
  3. ( ━する ) うなだれること。手段、方法がなく思案にくれるさま、しょげこむさまをいう。
    1. [初出の実例]「もはや酒飲きげんは御ざりませぬとなげ首(クヒ)して、なみだぐむ」(出典:浮世草子・好色旅日記(1687)一)
  4. 歌舞伎で用いる小道具の名。荒事(あらごと)で立ち回りの際、主役が刀を払うといっせいに落ちる作りものの首。後見が紐でつないだ首を投げ出すもの。
    1. [初出の実例]「照忠、大太刀にて一時に首を打落す。仕丁ぶっかぶりになり、投首(ナゲクビ)を出す」(出典:歌舞伎・暫(1714))

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普及版 字通 「投首」の読み・字形・画数・意味

【投首】とうしゆ

自首する。

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