(読み)トウ

デジタル大辞泉 「投」の意味・読み・例文・類語

とう【投】[漢字項目]

[音]トウ(漢) [訓]なげる
学習漢字]3年
物をなげる。ほうりなげる。「投下投棄投球投石
野球で、投球。また、「投手」の略。「投手投打・投飛/完投継投好投失投続投暴投
あきらめてなげ出す。「投降投了
さし出したり入れたりして、ある場所に収まるようにする。「投稿投獄投資投宿投書投票投薬帰投恵投
うまくつぼにはまり込む。「投機投合
[名のり]ゆき
[難読]石投いしなぎ投網とあみ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「投」の意味・読み・例文・類語

なげ【投】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「なげる(投)」の連用形の名詞化 )
  2. 投げること。多く、他の語と複合して用いる。「槍投げ」「砲丸投げ」「身投げ」など。
  3. 相撲柔道などで相手をかかえ、腰をひねってころがす技をいう。相撲では上手投げ、首投げ、柔道では足わざ、真捨て身わざなどがある。
    1. [初出の実例]「目の玉も下へころりと露散て 抛のかちとてたつ相撲の場」(出典:俳諧・独吟一日千句(1675)第七)
  4. なげやりにすること。ぞんざいにすること。心をこめてしないこと。
    1. [初出の実例]「命を投げにしつけぬ盗人」(出典:歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)二幕)
  5. 勝負を投げだすこと。囲碁将棋で、終局にならない前に勝算が認められなくなった時、持っている石や駒を投げ出して負けを表明すること。転じて、やりかけたことをやめること。
    1. [初出の実例]「おれが気めえじゃア、とても武士にはなれまいと、そこで侍ひはなげにうって商売屋」(出典:歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)五立)
  6. 取引市場で、相場が下がって損失が明らかな場合、それ以上の損失を避けるため損を覚悟で売ること。〔英和商業新辞彙(1904)〕
  7. なげぶし(投節)」の略。
    1. [初出の実例]「逢ひたさ見たさの唱歌をば、なげに歌ふつ書いて見つ」(出典:浄瑠璃・吉野忠信(1697頃)一)
  8. 建築で、部材の面の傾斜角度。たとえば木負(きおい)茅負(かやおい)前面傾斜度をいう。
  9. 女性の袂に名刺手紙を投げ入れることをいう不良少年仲間の隠語
    1. [初出の実例]「女子の袂に名刺や手紙を投入する『なげ』」(出典:わが新開地(1922)〈村島帰之〉九)

とう【投】

  1. 〘 名詞 〙 野球で、投手としての任務、または力量。「投打に活躍

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