刑法は,監獄や拘留場に〈拘置〉することを自由刑の内容としており,死刑囚も執行まで監獄に〈拘置〉されるとして,罰金・科料の不払いによる労役場留置と区別している(11,18条など)。しかし,監獄法では,いずれの施設もそれぞれの者を〈拘禁〉する所とされ,区別はない。刑法の〈拘置〉は,この〈拘禁〉と同じ意味だとされている。憲法の人権保障規定では,拘禁は継続的な身柄の拘束として,一時的な自由拘束たる抑留と並べられている(34条など)。監獄法はまた,刑事被告人・被疑者や死刑囚などを拘禁する所を拘置監と称する。刑事訴訟法では勾留と呼ばれる刑事被告人等の身柄拘束を,〈拘置〉と呼ぶ新聞報道などの用例は,これに由来する。
執筆者:吉岡 一男
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