招（読み）ショウ

デジタル大辞泉

しょう【招】［漢字項目］

［音］ショウ（セウ）（呉）（漢）　［訓］まねく
［学習漢字］5年
呼び寄せる。まねく。「招請・招待・招致・招聘しょうへい」
［名のり］あき・あきら

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

まねき【招】

1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「まねく（招）」の連用形の名詞化 )
2. ① 呼んでそばへ近寄らせること。また、客として呼ぶこと。招待。
   1. [初出の実例]「道祖神のまねきにあひて」(出典：俳諧・奥の細道（1693‐94頃）旅立)
3. ② あることがらの起きるもととなるもの。あることがらを招く原因。
   1. [初出の実例]「逆者乱之招 マネキナリ」(出典：文明本節用集（室町中）)
4. ③ 立烏帽子・折烏帽子の類の正面のくぼみの上の部分の名。立烏帽子では峰の前方の突き出た所、折烏帽子では正面の三角形の部分をいう。
   1. [初出の実例]「ゑぼうしまねきの裏を金銀の箔を押し」(出典：四座役者目録（1646‐53）下)
5. ④ 近世の旗や指物の棹(さお)の頂辺につける小旗。江戸時代、劇場の櫓(やぐら)にも立てた。また、集団行動の際の標識の小旗をいう。
   1. 
      招④〈武用弁略〉
   2. [初出の実例]「麾は旗のさきにつけたる、マネキぞ」(出典：三体詩絶句鈔（1620）三)
6. ⑤ 「まねきかんばん（招看板）」の略。
   1. [初出の実例]「道成寺や七変化などの時、切抜にしてやぐら下へ出すのが釣看板ともまねきとも云やす」(出典：滑稽本・戯場粋言幕の外（1806）上)
7. ⑥ 江戸時代の劇場の木戸口で、大勢そろって扇を開き、「ありゃありゃ」と呼びながら観客を招いたこと。また、その人々。〔戯場訓蒙図彙（1803）〕
8. ⑦ 文楽人形の型の一つ。右手の掌を手前に向けて目の高さにかざし、その掌を向こうに返しながら押える形に下ろすもので、招くときのほかに、ほめるとか励ますときの身ぶりとする。
9. ⑧ 船から他船または陸地に対し、合図のため掲げる標識。近世の船方では、漂流船などが救助を求めるために掲げる標識をいい、適宜手元の筵、布、笠などを棹の先端につけて立てた。
   1. [初出の実例]「今又船を捨てるに忍びずや思ひけん、招の印も揚げず」(出典：漂流記（1863）上)

出典　精選版 日本国語大辞典