普及版 字通 「拝」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)拜
人名用漢字 9画

[字音] ハイ
[字訓] ぬく・おがむ・うける

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
手+(はん)。は花の形。〔説文〕十二上に「首、地に至るなり」と拝首の意とし、字形について揚雄説として「兩手の下るに從ふ」と左右を両手の形とする。金文の字形は華を手で抜きとる形で、草花を抜きとるのが字の原義。〔詩、召南、甘棠〕「(へいひ)たる甘棠(かんたう) 翦(き)ること勿(なか)れ、拜(ぬ)くこと勿れ」の〔箋〕に「拜の言たる、拔なり」という。拜peatと拔(抜)buatとの畳韻の関係を以て説くが、拜の字形が草花を抜きとる形である。その姿勢は腰を低めて拝首の礼に近いので、のちその義となった。金文には「拜手首(けいしゆ)」といい、〔書、召誥〕にも、「拜手」の語がある。官位の受命のときにその礼を行うので、拝命・拝受・拝顔のようにいう。

[訓義]
1. ぬく、草花をぬく。
2. 腰を低くする、かがむ、おがむ、拝する。敬礼の法、拝手。
3. 受ける、拝受する、任命される、感謝する。
4. もうでる、神仏にもうでる。

[古辞書の訓]
名義抄〕拜 ヲガム・ヌク・ウヤ(マフ)〔立〕拜 ウ(ヤ)マフ・フス

[声系]
拜声の字に湃があるが、澎湃(ほうはい)のように二字双声の連語で、形況の語である。湃はまたに作り、(八)も波の音を形容する語であろう。

[語系]
拜poat、拔buatは声義近く、また把pea、拂(払)phiut、伐biuatとも、みな声義に通ずるところがあり、もと一系の語であったことが知られる。

[熟語]
拝謁・拝恩・拝家拝賀・拝閣・拝官・拝顔・拝拝拱・拝教拝啓・拝見拝献・拝候・拝芝拝賜拝辞拝謝拝爵・拝手・拝首・拝受・拝寿・拝春・拝除・拝章拝詔・拝神・拝塵拝趨・拝石・拝節・拝・拝送拝聴・拝天拝殿・拝・拝任・拝年・拝眉・拝表・拝舞・拝俛・拝伏・拝別・拝面・拝覧・拝礼
[下接語]
下拝・嘉拝・賀拝・雅拝・奇拝・起拝・拝・九拝・迎拝・再拝・三拝・参拝・賜拝・手拝・巡拝・除拝・親拝・崇拝・趨拝・夕拝・致拝・朝拝・答拝・俯拝・伏拝・封拝・捧拝・遥拝・礼拝

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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