ふり‐つけ【振付】
※俳諧・武玉川(1750‐76)初「ふり付の心の届く衣がへ」
※
文学者となる法(1894)〈
内田魯庵〉四「
一人にして作劇家となり俳優となり〈略〉衣裳方となり振附
(フリツケ)より
隈取の
化粧まで
自ら之を為すに到っては」
ふり‐つ・ける【振付】
〘他カ下一〙
① 人を嫌ってはねつける。
※俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)揚水之独吟「ふってふり付けてすねてさうして 光君いまだやぼにてわたり給ふ」
② 芝居・舞踊などの振付をする。ふりを付ける。
※雑俳・柳多留‐
七三(1821)「人を見て
藤間の女房振付る」
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デジタル大辞泉
「振付」の意味・読み・例文・類語
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振付
ふりつけ
choreography
舞踊用語。バレエ,オペラ,ミュージカルをはじめとする舞踊芸術において,舞踊を創作あるいはアレンジすること。作品の各部分の踊り手を選定し,踊り手の動き,ステップの順序などを振付師が組立てる。古典バレエなど演劇的内容をもつ舞踊では,主題や物語にそって振付が行われ,筋をもたない純粋舞踊では,新しい動きの創造やアレンジが中心となる。また新しい音楽による作品の場合は,振付師と作曲家が綿密に打合せ,リズム・パターンや音の長さまで作曲家に指示されることもある。振付の最も初歩的な形態は民俗舞踊の単純な円形,直線などにみられ,芸術舞踊では対角線,正方形,長方形,円形,半円形,螺旋形など幾何学的形態が発達した。これらは 17世紀の宮廷バレエの主要素をなしたが,やがてドラマがバレエに取入れられると (→バレエ・ダクシオン ) ,より豊かな動きによる表現が追求された。 19世紀に入ると爪先立ち (ポアント) の技法が取入れられ,さらにアクロバティックな振付も出現。 20世紀初めにはモダン・ダンスが生れ,それまでの形式を排して独創的な振付が行われて,そのほかの舞踊にも多大な影響を与えた。振付はかつて記録がむずかしく,模倣によって踊り手から踊り手へと受継がれねばならなかったため,失われるものも多かったが,R.ラバンの舞踊記譜法によって完全な形で残されるようになった (→舞踊譜 ) 。アメリカなどでは系統的な大学教育もなされている。しかし実際には,おもに観察・経験によって振付師が学び,踊り手は振付師の動きを模倣して学ぶのが一般的である。
振付
ふりつけ
按舞ともいう。日本舞踊で振りは文句にありといわれるように歌詞に合致する動きをつけること。しかし,伴奏音楽が変化するにつれてこのような傾向はなくなりつつある。
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ふりつけ【振付】
人間の肉体の運動の連続を規定し,それによって思想または感情を創作的に舞踊として表現すること。これを専門的に行う者を振付者または振付師という。英語ではコレオグラフィーchoreographyというが,これはもともとは舞踊の記譜法を示す言葉で,1700年にフランスのフイエRaoul‐Auger Feuillet(1660ころ‐1710)とボーシャンPierre Beauchamp(1636‐1705)が自らの記譜法を〈choréographie〉と称して発表したのに由来する。
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世界大百科事典内の振付の言及
【作曲】より
…それ以前から伝統的に用いられていた言葉として〈節付〉〈手付〉があるが,その基本的な概念は歌詞に〈節(ふし)〉を付けたり,さらに楽器奏法としての〈手〉を付けるというように様式的に拡大していくことが眼目となっている。その延長上には〈振付〉をして舞踊にまでひろげる場合も含まれている。他の類語としては〈作調〉〈調〉があげられる。…
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