振回す(読み)フリマワス

デジタル大辞泉 「振回す」の意味・読み・例文・類語

ふり‐まわ・す〔‐まはす〕【振(り)回す】

[動サ五(四)]
手や手に持った物などを、勢いよく振ったり回したりする。「腕を―・す」「刀を―・す」
みだりに使う。「親の権威を―・す」
自慢してみせる。ひけらかす。「知識を―・す」
思いのままに人を動かす。「友達に―・される」「うわさに―・される」
[類語]うぬぼれる誇る自慢思い上がるおのぼれる誇らしい胸を張る肩身が広い鼻が高い鼻高高勝ち誇る驕る威張る威張り散らす付け上がる高ぶる反り返る鼻にかける増長慢心自画自賛誇示おご誇り驕傲きょうごう矜持倨傲きょごう自負自負心自賛自嘆自任自得天狗うぬぼれプライド高慢自尊自尊心気位きぐらい得意思い上がり唯我独尊手前味噌我褒め身褒めのぼせるのぼせ上がる背負しょ

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精選版 日本国語大辞典 「振回す」の意味・読み・例文・類語

ふり‐まわ・す‥まはす【振回】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 手や、手に持った物を空中で勢いよく動かしたり回転させたりする。
    1. [初出の実例]「ある僧の〈略〉鐘木をとりてふりまはして、打ちもやらで」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  3. やたらに口に出す。
    1. [初出の実例]「お世辞を振り廻しながら」(出典:落語・思案の外幇間の当込み(1889)〈三代目三遊亭円遊〉)
  4. 知識や権威などをむやみにひけらかす。
    1. [初出の実例]「鈴江君が今はいよいよ姉の威光をふりまはして」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉一〇)
  5. 人に指図して、しかるべき所に所属させる。
    1. [初出の実例]「渡者を振廻して処処の米屋に稼がして置く」(出典:湯島詣(1899)〈泉鏡花〉三一)
  6. ある人の勝手な行動や突発的な事件が、それに対する対応を迫る。現代では主に受身の形で用いる。
    1. [初出の実例]「頑なお庸(つね)が倨傲心(きょがうしん)は〈略〉今も仍(なほ)長州の藩儒足利澹斎の娘を振回(フリマハ)してゐるのである」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉)
    2. 「複雑さに振りまわされていたんでは何一つとしてなし遂げられませんからね」(出典:明日への楽園(1969)〈丸山健二〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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