捨金(読み)すてきん

精選版 日本国語大辞典 「捨金」の意味・読み・例文・類語

すて‐きん【捨金】

〘名〙
浮世草子好色一代女(1686)一「そもそも奉公人肝煎(きもいり)渡世とする事、捨金(ステキン)百両の内十両とるなり」
※浮世草子・文武さざれ石(1712)一「捨金(ステキン)百両の外に、又百両金子さしあげをき」

すて‐がね【捨金】

〘名〙
① 捨てたと同様な金銭返済を期待しないで貸す金や利益の期待できない出資投資など。死に金。むだ金。すてきん。
② 人を雇い入れる時、また、遊女を身請けする時に、支度金として前渡しする金。すてきん。
※俳諧・信徳十百韻(1675)「捨かねいくら美目は何とか かつぎせしうしろ姿の先はよし」
売買請負賃借などで契約した総金高の一部分の金銭を前もって、または中途で支払うこと。また、その金銭。いれがね。内金。すてきん。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「捨金」の意味・読み・例文・類語

すて‐がね【捨(て)金】

効果・返済を期待しないで使う金や貸す金。むだ金。死に金。「多額の交際費捨て金になる」
遊女を身請けするとき、人を雇うときに支度金として前渡しする金。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

激甚災害

地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...

激甚災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android