掠ふ(読み)カソウ

デジタル大辞泉 「掠ふ」の意味・読み・例文・類語

かそ・う〔かそふ〕【×掠ふ】

[動ハ四]《古くは「かそぶ」とも》
盗む。奪い取る。かすめる。
「天つ日嗣高御座たかみくらつぎてを、―・ひ奪ひ盗まむとして」〈続紀宣命・一九詔〉
人目をくらます。ごまかす。
「―・うで京内きゃううち参りを致してござる」〈狂言記・二千石〉

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精選版 日本国語大辞典 「掠ふ」の意味・読み・例文・類語

かそ・うかそふ【掠】

  1. 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙
  2. 盗む。奪い取る。掠(かす)める。
    1. [初出の実例]「天つ日嗣高御座(たかみくら)の次(つぎて)を加蘇毗(カソヒ)奪ひ盗まむとして」(出典続日本紀‐天平宝字元年(757)七月一二日・宣命)
  3. 人目をくらます。欺く。掠める。
    1. [初出の実例]「おひまと申したりとも下されまいと存じ、かそうで京うち参りを致してござる」(出典:狂言記・二千石(1660))

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