探る(読み)サグル

デジタル大辞泉 「探る」の意味・読み・例文・類語

さぐ・る【探る】

[動ラ五(四)]
手足感覚などをたよりにして、目に見えないものをさがし求める。「小銭がないかとポケットを―・る」「暗闇を―・る」
相手の考えやようす・動きなどを、それとなく調べる。「敵情を―・る」「―・るような目つき」
未知物事を明らかにするために観察したり調査したりする。探求する。「語源を―・る」「事故の原因を―・る」
考えられる最もよいやり方をさがす。「解決糸口を―・る」
人に知られていない土地景色などをさがし求める。美しい景色などをたずねて楽しむ。探訪する。「秘境を―・る」「古都の秋を―・る」
[可能]さぐれる
[類語](1さがまさぐるあさる尋ねる探し求める物色する求める見出す探り出す探し出す探り当てる探し当てる探りを入れる探し物模索捜索渉猟家捜し穿鑿ほじくる粗探し探求探検探査探索検索手探り/(2うかが偵察する内偵する探偵するほじくるうかがうつけねらう狙い澄ます狙いを付ける虎視眈眈鵜の目鷹の目密偵スパイ間諜間者隠密回し者/(3)(4調べる尋ねる探査する調査する探索する詮索せんさくする探究する探求する模索する検分研究洗う当たる踏査精査分析調べ鑑査監査審査審理検討吟味けみするリサーチアンケート

あな‐ぐ・る【探る/索る】

[動ラ四]さがし求める。さぐる。
「わづかにまなび読む事あれば、これを―・りもとめて、事を言ひ添へ」〈為兼卿和歌抄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「探る」の意味・読み・例文・類語

さぐ・る【探・捜】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 目で確認できないものの実体や、その様子、ありかなどを、手足などの感触や音の調子などで求める。あなぐる。
    1. [初出の実例]「愛(うつく)しと思ふ我妹を夢に見て起きて探(さぐる)に無きがさぶしさ」(出典:万葉集(8C後)一二・二九一四)
    2. 「上着のポケットを一つ一つ索(サグ)って」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉四)
  3. さがす。たずね求める。探求する。
    1. [初出の実例]「九歳にして広智が所にゆきぬ。誓て観音経をさぐりえたり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  4. 人の心や相手の動きなどをひそかに調べる。探知する。
    1. [初出の実例]「さぐる如何〈略〉但心のさぐる探る也」(出典:名語記(1275)八)
    2. 「其女の身の上を探(サグ)って見ようともしなかった」(出典:雁(1911‐13)〈森鴎外〉三)
  5. (くじ)をとる。特に、寺院で、籤により役職や職衆を決める。
    1. [初出の実例]「両若君被探之処、取当鷹司方。此条神慮也」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明二年(1470)七月二〇日)
  6. 人に知られていない隠れた景勝の地をさがし、その美しい風景を楽しむ。
    1. [初出の実例]「梨の花見にまかるの、桃の花を探(サグ)るのと風雅めかすは」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉三)

あな‐ぐ・る【探・索】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 さぐる。探し求める。また、さぐり調べる。
    1. [初出の実例]「乃ち出でて畝傍山に入る。因りて以て山を探(アナクル)」(出典:日本書紀(720)舒明即位前(図書寮本訓))
    2. 「在所をあなぐられて、遂に搦め捕られけり」(出典:源平盛衰記(14C前)四一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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