掴み(読み)ツカミ

デジタル大辞泉 「掴み」の意味・読み・例文・類語

つかみ【×掴み/×攫み】

つかむこと。手で握ること。多く他の語と複合して用いる。「ひと―」「わし―」
相手の気持ちを引きつけること。また、その事柄。お笑い芸人が観客を引きつけるために最初に放つ独創ギャグ。また、講演や説明会の最初に聴衆の関心興味を高めるために話す事柄。「―のうまい芸人」
囲碁互先たがいせんのとき、先手を決める方法。一方が碁石を任意の数だけ握り、他方がその数の奇数偶数かを当てたら先手となり、違えば後手となる。にぎり。
花札で、出来役の札を手札の中にそろえて持つこと。
破風はふ板の合う部分を固める板。蟻板ありいた
欲の深いこと。また、その人。欲ばり。
「残りの臣下は欲づらの―の達者」〈浄・今国性爺〉
草履取り
「召し連れたる―が言ふやう」〈咄・軽口大矢数〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「掴み」の意味・読み・例文・類語

つかみ【掴・攫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つかむ(掴)」の連用形の名詞化 )
  2. 手でつかむこと。多く数詞にそえて用いる。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
  3. ( 比喩的に ) 欲の深いこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「掴(ツカ)みの嚊(かか)さへあの心此上は如何(いか)やうな御用でも、アア慮外ながら仰付られ候へと」(出典浄瑠璃・小栗判官車街道(1738)四)
  4. 賄賂(わいろ)を取ること。
    1. [初出の実例]「残りの臣下は欲づらのつかみの達者」(出典:浄瑠璃・唐船噺今国性爺(1722)上)
  5. 囲碁で、一方が石をつかんで、他方が数(奇数、偶数)を言い当て、その当否で黒、白(または置石の数)をきめる方法。握り。
  6. 花札で、出来役の札を手札の中にそろえて持っていること。
    1. [初出の実例]「それからはつかみもとらづに、すっぱりと取られて仕廻(しまっ)た」(出典:洒落本・卯地臭意(1783))
  7. 破風(はふ)の板の拝(おがみ)の部分が離れないよう固めるために用いる短い角材。ありいた。
    1. [初出の実例]「拈衽 ツカミあり 破風之合掌」(出典:紙上蜃気(1758))

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