携える(読み)タズサエル

デジタル大辞泉 「携える」の意味・読み・例文・類語

たずさ・える〔たづさへる〕【携える】

[動ア下一][文]たづさ・ふ[ハ下二]
手にさげて、また、身につけて持つ。「手土産を―・えて訪問する」
連れ立って行く。伴う。「家族を―・えて渡米する」
(「手を携える」の形で)手を取り合う。また、協力する。「二人手を―・えて歩く」「互いに手を―・えて研究を進める」
[類語](1持つ携帯とる握る捧げる捧げ持つ手にする携行持参必携持ち歩く持ち合わせる/(3手を握る手を携える手を取り合う手に手を取る手を結ぶ手を組む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「携える」の意味・読み・例文・類語

たずさ・えるたづさへる【携】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]たづさ・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. たずさわる(携)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「川上梟帥(かはかみのたける)(そ)の童女(おとめ)容姿(かほ)に感(め)てて、則(すなは)ち手を携(タツサヘ)、席(むしろ)を同(をな)しうす」(出典日本書紀(720)景行二七年一二月(北野本訓))
  3. (どこかへ行く際に)身近に持つ。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「辻々には賤者(いやしきもの)ども棒をたづさへて」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)四)
  4. 伴って行く。連れだって行く。
    1. [初出の実例]「或時曹娥と云ける一人の娘携(タツサ)へて、他国へぞ落行ける」(出典:太平記(14C後)三四)
  5. 結びつらねる。互いに関係をもちあう。かかり合いをもつ。
    1. [初出の実例]「人丸・赤人の跡をたづね、業平・源氏の物語に情をたづさへ」(出典:曾我物語(南北朝頃)四)

携えるの補助注記

室町時代頃からヤ行にも活用した。→たずさゆ(携)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android