播隆(読み)ばんりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「播隆」の意味・わかりやすい解説

播隆
ばんりゅう
(1782―1840)

山岳行者、槍(やり)ヶ岳初登頂者。越中(えっちゅう)国(富山県)河内(かわち)村生まれ。生家は一向(いっこう)宗の道場であった。19歳で出家したが、その後巡礼の旅に出て山岳信仰による山の開山を志し、1823年(文政6)円空が登った笠(かさ)ヶ岳再興を行い、次に槍ヶ岳開山を思い立ち、数回の試登ののち1828年に登頂した。さらに多くの人に槍ヶ岳を開くため1840年(天保11)頂上直下に鉄鎖をつけた。この帰途病に倒れ大往生を遂げた。

[徳久球雄 2017年9月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「播隆」の意味・わかりやすい解説

播隆 (ばんりゅう)
生没年:1782-1840(天明2-天保11)

江戸後期の山岳行者。槍ヶ岳初登頂者。越中国(富山県)河内村生れ。生家は一向宗の道場であった。19歳で出家したが,その後巡礼の旅に出て山岳信仰による山の開山を志し,1823年(文政6)円空が登った笠ヶ岳再興を行い,次に槍ヶ岳開山を思い立ち,数回の登山の後,28年登頂に成功した。さらに多くの人の登山の便をはかって40年(天保11)頂上直下に鉄鎖をつけた。その帰途病に倒れ,大往生をとげた。その行跡新田次郎小説《槍ヶ岳開山》(1968)に詳しい。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「播隆」の解説

播隆 ばんりゅう

1782-1840 江戸時代後期の山岳行者。
天明2年生まれ。生家は越中(富山県)の一向宗の道場。諸国修行の旅にでて山岳信仰をふかめる。文政6年(1823)かつて円空がのぼったとされる飛騨山脈の笠ケ岳に登頂し,ついで11年槍ケ岳に初登頂し,山頂仏像を安置した。のち山道を開削し,頂上付近に鉄鎖をつけるなどした。天保(てんぽう)11年死去。59歳。

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