故轍（読み）コテツ

デジタル大辞泉

こ‐てつ【故^×轍】

１ 先に通った車の轍わだち。
２ 前人の行った跡。昔ながらのやり方。前例。「故轍を踏む」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こ‐てつ【故轍・古轍】

1. 〘 名詞 〙 ( 「轍」は車の輪が通った跡、わだちの意 )
2. ① 以前に通りすぎた車のわだち。古いわだち。〔梁簡文帝‐中書令臨汝霊侯墓銘〕
3. ② 前人の行なった通りの方法や様式。昔ながらのしかた。前例。
   1. [初出の実例]「慎勿_レ踏_二近世学者之故轍_一」(出典：童子問（1707）上)
   2. 「ただただ学者は古轍をふみたがへじとて」(出典：読本・春雨物語（1808）海賊)
   3. [その他の文献]〔陶潜‐詠貧士詩〕
4. ③ 仏語。古の聖人の行なった行跡。古聖の軌轍。

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【故轍】こてつ

ゆきなれた道。生きかた。晋・陶潜〔貧士を詠ず、七首、一〕詩　力を量りて故轍を守らば　豈に(こご)えとゑとあらざらんや　知(ちいん)(も)し存せずんば　已(や)んぬる矣(かな)、何の悲しむぞ

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出典　平凡社「普及版 字通」