散髪(読み)サンパツ

デジタル大辞泉 「散髪」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぱつ【散髪】

[名](スル)
のびた髪を刈ること。刈って髪を整えること。「一か月ごとに散髪する」
散髪脱刀令以後流行した男の髪形。ざんぎり。
元結を結わないで、ばらばらにしてある髪。散らし髪。
[類語]理髪調髪整髪

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精選版 日本国語大辞典 「散髪」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぱつ【散髪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 元結を結わないで、ばらばらに散らした髪。また、元結がほどけたりして、髪がばらばらに散ること。ちらし髪。乱髪。斬髪。
    1. 散髪<b>①</b>〈戯場訓蒙図彙〉
      散髪戯場訓蒙図彙
    2. [初出の実例]「脳裂け、瞼破れ、散髪淋漓、鮮血踵に滴る」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)三)
    3. [その他の文献]〔揚雄‐太玄賦〕
  3. ざんぎり(散切)
    1. [初出の実例]「散髪(サンハツ)制服略服脱刀等自今勝手たるべく」(出典:新聞雑誌‐一〇号・明治四年(1871)八月)
  4. ( ━する ) 髪の毛を切り、ととのえること。調髪すること。また、それを業とする人。散髪屋
    1. [初出の実例]「松王殿今日巳刻為喝食。可截髪也。其刻截髪。為喝食着衣也。今日散髪脱冠也」(出典:蔭凉軒日録‐寛正四年(1463)一一月一九日)

ばらけ‐がみ【散髪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ばらばらに振り乱れた髪。乱れ髪。ざんばら髪。ばらげ。
    1. [初出の実例]「またたく間に剃り仕廻ひ二櫛半のはらけがみ」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)千里が竹)
  3. 江戸時代歌舞伎役者楽屋にいるときに結った簡単な髪の結い方。
    1. ばらけ髪<b>②</b>〈当世かもじ雛形〉
      ばらけ髪当世かもじ雛形〉

ちらし‐がみ【散髪】

  1. 〘 名詞 〙 髪を結ばずに下げ散らしておくこと。また、その髪。さばきがみ。さんぱつ
    1. [初出の実例]「追々に荷取りの馬士がちらし髪(カミ)」(出典:雑俳・媒口(1703))

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普及版 字通 「散髪」の読み・字形・画数・意味

【散髪】さんぱつ

髪を整えず、官をやめること。唐・李白〔宣州謝の楼に餞別す~〕詩 人生、世に在るも(かな)はず 髮を散じて舟を弄せん

字通「散」の項目を見る

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