文化勲章(読み)ブンカクンショウ

デジタル大辞泉 「文化勲章」の意味・読み・例文・類語

ぶんか‐くんしょう〔ブンクワクンシヤウ〕【文化勲章】

学問・芸術など文化の向上・発展に多大な貢献をなした人に授与される勲章。昭和12年(1937)に制定。たちばな勾玉まがたまを配した形で、じゅ(リボン)は淡紫色。受章者は原則として文化功労者の中から選考される。

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精選版 日本国語大辞典 「文化勲章」の意味・読み・例文・類語

ぶんか‐くんしょうブンクヮクンシャウ【文化勲章】

  1. 〘 名詞 〙 勲章の一つ。文化の創造的発展にめざましい貢献をした人に与えられる。昭和一二年(一九三七)制定。原則として毎年一回文化の日に授与される。勲章は橘に勾玉を配した形で、綬(じゅ)は淡紫色。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「文化勲章」の意味・わかりやすい解説

文化勲章
ぶんかくんしょう

国の栄典の一つ。科学上の発明・発見、学術的研究、文芸、彫刻、建築、音楽などの分野で、その創造的発展にとくに功績のあった者に授与される勲章。等級差別のない単一級の勲章で、1937年(昭和12)2月11日の文化勲章令により定められた。当時は、科学、芸術などの分野において、海外の模倣と追随の域を出ないという情勢にあったため、独創的な文化の創造と育成を図ることとなり、その奨励策として文化勲章が創設された。それまでは芸術などの功績に対して叙勲が行われたことはほとんどなかった。受章候補者の選考は、文部科学大臣が、文化功労者年金法(昭和26年法津125号)により文化功労者に決定された者のなかから、文化功労者選考分科会(文化庁文化審議会)の委員全員の意見を聴いて行い、内閣総理大臣に推薦することとなっている。文化勲章の授与は、1937年より実施され、1949年(昭和24)以降は原則として毎年1回、11月3日の文化の日に行われている。着用する場合の服装は、男子は紋付羽織袴(はかま)、フロックコートまたはモーニングコート、女子は白衿(えり)紋付またはローブモンタントである。この勲章は、とくに和服にも似合うようにつくられ、中綬(ちゅうじゅ)で胸部中央に着用する。製式は、橘(たちばな)の花弁を模様化した章(メダル)の中央に勾玉(まがたま)を配し、鈕(ちゅう)(つまみ)に、橘の葉と実を配してある。

 なお、人類最初の月着陸に成功(1969年7月)したアメリカの宇宙船アポロ11号の乗組員N. A. アームストロング船長以下3人に、外国人として初めて文化勲章が授与(1969年10月31日発令)された。

[内閣府賞勲局 2019年11月20日]

資料 文化勲章受章者

第1回〈1937年(昭和12)4月28日発令〉
 長岡半太郎〔物理学〕
 本多光太郎〔金属物理学〕
 木村栄〔地球物理学〕
 佐佐木信綱〔和歌・和歌史・歌学史〕
 幸田成行(露伴)〔文学〕
 岡田三郎助〔洋画〕
 藤島武二〔洋画〕
 竹内恒吉(栖鳳)〔日本画〕
 横山秀麿(大観)〔日本画〕
第2回〈1940年(昭和15)11月10日発令〉
 高木貞治〔数学〕
 西田幾多郎〔哲学〕
 川合芳三郎(玉堂)〔日本画〕
 佐々木隆興〔生化学・病理学〕
第3回〈1943年(昭和18)4月29日発令〉
 伊東忠太〔建築学〕
 鈴木梅太郎〔農芸化学〕
 朝比奈泰彦〔薬物・植物化学〕
 湯川秀樹〔原子物理学〕
 徳富猪一郎(蘇峰)(1946年返上)〔歴史・政治評論〕
 三宅雄二郎(雪嶺)〔社会評論〕
 和田英作〔洋画〕
第4回〈1944年(昭和19)4月29日発令〉
 田中館愛橘〔地球物理学・航空学〕
 岡部金治郎〔電気工学〕
 志賀潔〔細菌学〕
 稲田竜吉〔細菌学〕
 狩野直喜〔中国文学〕
 高楠順次郎〔インド哲学〕
第5回〈1946年(昭和21)2月11日発令〉
 中田薫〔法制史・日本法制史〕
 宮部金吾〔植物学〕
 俵国一〔金属学〕
 仁科芳雄〔原子物理学〕
 梅若万三郎(初世)〔能楽〕
 岩波茂雄〔出版〕
第6回〈1948年(昭和23)11月2日発令〉
 木原均〔遺伝学〕
 長谷川万次郎(如是閑)〔評論〕
 安田新三郎(靱彦)〔日本画〕
 朝倉文夫〔彫塑〕
 上村津禰(松園)〔日本画〕
第7回〈1949年(昭和24)7月10日発令〉
 寺島幸三(6世尾上菊五郎)(故人追贈)〔歌舞伎〕
第8回〈1949年(昭和24)11月3日発令〉
 津田左右吉〔東洋哲学・日本古代史〕
 鈴木貞太郎(大拙)〔仏教学〕
 三浦謹之助〔内科学〕
 岡田武松〔気象学〕
 真島利行〔化学〕
 谷崎潤一郎〔文学〕
 志賀直哉〔文学〕
第9回〈1950年(昭和25)11月3日発令〉
 牧野英一〔刑法・法律学〕
 田辺元〔哲学〕
 藤井健次郎〔植物学〕
 三島徳七〔金属学〕
 小林茂(古径)〔日本画〕
 土井林吉(晩翠)〔詩〕
 正宗忠夫(白鳥)〔文学〕
第10回〈1951年(昭和26)11月3日発令〉
 柳田国男〔民俗学〕
 光田健輔〔ライ医学〕
 西川正治〔原子物理学〕
 菊池正士〔原子物理学〕
 斎藤茂吉〔短歌〕
 武者小路実篤〔文学〕
 波野辰次郎(初世中村吉右衛門)〔歌舞伎〕
第11回〈1952年(昭和27)11月3日発令〉
 梅原龍三郎〔洋画〕
 熊谷岱蔵〔結核医学〕
 佐々木惣一〔憲法学・行政学〕
 辻善之助〔日本史・仏教学〕
 朝永振一郎〔原子物理学〕
 永井壮吉(荷風)〔文学〕
 安井曾太郎〔洋画〕
第12回〈1953年(昭和28)11月3日発令〉
 板谷嘉七(波山)〔陶芸〕
 宇井伯寿〔インド哲学〕
 香取秀治郎(秀真)〔鋳金工芸〕
 喜多六平太(14世)〔能楽〕
 羽田亨〔東洋史〕
 矢部長克〔地質学・古生物学〕
第13回〈1954年(昭和29)11月3日発令〉
 勝沼精蔵〔血液学・航空医学〕
 鏑木健一(清方)〔日本画〕
 金田一京助〔アイヌ文学〕
 高浜清(虚子)〔俳句〕
 萩原雄祐〔天文学〕
第14回〈1955年(昭和30)11月3日発令〉
 大谷竹次郎〔演劇事業〕
 杉本金太郎(2世稀音家浄観)〔長唄〕
 平沼亮三〔体育〕
 二木謙三〔伝染病学〕
 前田廉造(青邨)〔日本画〕
 増本量〔金属学〕
 和辻哲郎〔倫理学〕
第15回〈1956年(昭和31)11月3日発令〉
 安藤広太郎〔農学〕
 坂本繁二郎〔洋画〕
 新村出〔言語学・国語学〕
 古畑種基〔法医学〕
 村上武次郎〔金属学〕
 八木秀次〔電気工学〕
 山田耕筰〔作曲〕
第16回〈1957年(昭和32)1月18日発令〉
 牧野富太郎(故人追贈)〔植物学〕
第17回〈1957年(昭和32)11月3日発令〉
 緒方知三郎〔病理学〕
 久保田万太郎〔小説・劇作〕
 小平邦彦〔数学〕
 西山夘三郎(翠嶂)〔日本画〕
 山田孝雄〔国語学〕
 吉住小三郎〔長唄〕
第18回〈1958年(昭和33)11月3日発令〉
 北村西望〔彫塑〕
 近藤平三郎〔薬学・薬化学〕
 野副鉄男〔有機化学〕
 松林篤(桂月)〔日本画〕
第19回〈1959年(昭和34)11月3日発令〉
 川端昇太郎(龍子)〔日本画〕
 小泉信三〔経済学〕
 丹羽保次郎〔電気工学〕
 山内英夫(里見弴)〔小説〕
 吉田富三〔病理学〕
第20回〈1960年(昭和35)11月3日発令〉
 岡潔〔数学〕
 佐藤春夫〔小説・詩〕
 田中耕太郎〔商法・法哲学〕
 吉川英次(英治)〔小説〕
第21回〈1961年(昭和36)11月3日発令〉
 川端康成〔小説〕
 鈴木虎雄〔中国文学〕
 堂本三之助(印象)〔日本画〕
 富本憲吉〔工芸〕
 福田平八郎〔日本画〕
 水島三一郎〔化学〕
第22回〈1962年(昭和37)11月3日発令〉
 梅沢浜夫〔微生物学〕
 奥村義三(土牛)〔日本画〕
 桑田義備〔植物細胞学〕
 中村恒吉(岳陵)〔日本画〕
 平櫛倬太郎(田中)〔木彫〕
第23回〈1963年(昭和38)11月3日発令〉
 久野寧〔生理学〕
 古賀逸策〔電気工学〕
第24回〈1964年(昭和39)11月3日発令〉
 茅誠司〔物理学〕
 野尻清彦(大仏次郎)〔小説〕
 藪田貞治郎〔農芸化学〕
 吉田五十八〔建築〕
 我妻栄〔民法〕
第25回〈1965年(昭和40)11月3日発令〉
 赤堀四郎〔生物有機化学〕
 小糸(小絲)源太郎〔洋画〕
 諸橋轍次〔漢文学〕
 山口三郎(蓬春)〔日本画〕
 山本勇造(有三)〔小説・戯曲〕
第26回〈1966年(昭和41)11月3日発令〉
 井伏満寿二(鱒二)〔小説〕
 徳岡時次郎(神泉)〔日本画〕
 仁田勇〔結晶化学〕
第27回〈1967年(昭和42)11月3日発令〉
 小林秀雄〔文芸評論〕
 坂口謹一郎〔微生物学・酵素学〕
 林武臣(武)〔洋画〕
 村野藤吉(藤吾)〔建築〕
 山県昌夫〔造船工学〕
第28回〈1968年(昭和43)11月3日発令〉
 堅山熊次(南風)〔日本画〕
 黒川利雄〔内科学〕
 鈴木雅次〔土木工学〕
 浜田象二(庄司)〔陶芸〕
第29回〈1969年(昭和44)10月31日発令〉
 N. A. アームストロング〔アポロ11号宇宙船乗組員 船長〕
 E. E. オルドリン・ジュニア〔アポロ11号宇宙船乗組員 操縦士〕
 M. コリンズ〔アポロ11号宇宙船乗組員 操縦士〕
第30回〈1969年(昭和44)11月3日発令〉
 岩田豊雄(獅子文六)〔小説・戯曲〕
 落合英二〔薬化学〕
 正田建次郎〔数学〕
 東山新吉(魁夷)〔日本画〕
第31回〈1970年(昭和45)11月3日発令〉
 冲中重雄〔内科学・神経学〕
 棟方志功〔版画〕
第32回〈1971年(昭和46)11月3日発令〉
 赤木正雄〔砂防計画学〕
 荒川豊蔵〔工芸(陶芸)〕
 野上ヤヱ(弥生子)〔小説〕
 安井琢磨〔近代経済学〕
第33回〈1972年(昭和47)11月3日発令〉
 内田祥三〔建築学・防災工学〕
 岡鹿之助〔洋画〕
 小野清一郎〔刑事法学〕
 早石修〔生化学〕
第34回〈1973年(昭和48)11月3日発令〉
 石原謙〔宗教史〕
 勝木保次〔生理学〕
 久保亮五〔統計力学〕
 瀬藤象二〔電気工学〕
 谷口吉郎〔建築〕
第35回〈1974年(昭和49)11月3日発令〉
 石坂公成〔免疫学〕
 江崎玲於奈〔電子工学〕
 杉山寧〔日本画〕
 永田武〔地球物理学〕
 橋本明治〔日本画〕
第36回〈1975年(昭和50)11月3日発令〉
 江橋節郎〔薬理学〕
 小山敬三〔洋画〕
 田崎広次(広助)〔洋画〕
 中川一政〔洋画〕
 広中平祐〔数学〕
第37回〈1976年(昭和51)11月3日発令〉
 井上靖〔小説〕
 小野英吉(竹喬)〔日本画〕
 木村資生〔遺伝学〕
 松田権六〔漆芸〕
 森嶋通夫〔理論経済学〕
第38回〈1977年(昭和52)11月3日発令〉
 桜田一郎〔応用化学・高分子化学〕
 田宮博〔細胞生理化学〕
 中村元〔インド哲学〕
 丹羽文雄〔小説〕
 山本正義(丘人)〔日本画〕
第39回〈1978年(昭和53)11月3日発令〉
 尾崎一雄〔小説〕
 楠部弥一(弥弌)〔陶芸〕
 杉村隆〔癌生化学〕
 田中美知太郎〔哲学・西洋古典学〕
 南部陽一郎〔理論物理学〕
第40回〈1979年(昭和54)11月3日発令〉
 今西錦司〔霊長類学〕
 河村藤雄(6世中村歌右衛門)〔歌舞伎〕
 沢田寅吉(政広)〔木彫〕
 高橋誠一郎〔経済学史〕
 堀口大学〔詩・翻訳〕
第41回〈1980年(昭和55)11月3日発令〉
 小倉遊亀〔日本画〕
 小谷正雄〔分子物理学・生物物理学〕
 丹下健三〔建築〕
 東畑精一〔農業経済学〕
 波野聖司(17世中村勘三郎)〔歌舞伎〕
第42回〈1981年(昭和56)11月3日発令〉
 高柳健次郎〔電子工学・テレビジョン工学〕
 永井龍男〔小説〕
 福井謙一〔工業化学〕
 藤間順次郎(松本白鸚)〔歌舞伎〕
 山口米次郎(華楊)〔日本画〕
 横田喜三郎〔国際法学〕
第43回〈1982年(昭和57)11月3日発令〉
 坂本太郎〔日本史学〕
 高山辰雄〔日本画〕
 津田恭介〔薬学・有機化学〕
 藤間秀雄(6世藤間勘十郎、のち2世藤間勘祖)〔邦舞〕
 吉識雅夫〔船舶工学〕
第44回〈1983年(昭和58)11月3日発令〉
 石橋貞吉(山本健吉)〔文芸評論〕
 牛島憲之〔洋画〕
 小礒(小磯)良平〔洋画〕
 服部四郎〔言語学〕
 武藤清〔建築構造学〕
第45回〈1984年(昭和59)11月3日発令〉
 上村信太郎(松篁)〔日本画〕
 奥田厳三(元宋)〔日本画〕
 貝塚茂樹〔東洋史学〕
 高橋信次〔放射線医学〕
 利根川進〔分子生物学〕
第46回〈1985年(昭和60)11月3日発令〉
 円地富美(文子)〔小説〕
 黒澤明〔映画〕
 相良守峯〔ドイツ語学・ドイツ文学〕
 西川寧〔書〕
 和達清夫〔地球物理学〕
第47回〈1986年(昭和61)10月14日発令〉
 荻須高徳(故人追贈)〔洋画〕
第48回〈1986年(昭和61)11月3日発令〉
 岡義武〔政治史〕
 土屋文明〔短歌〕
 名取礼二〔筋生理学〕
 林忠四郎〔宇宙物理学〕
第49回〈1987年(昭和62)11月3日発令〉
 池田昇一(遙邨)〔日本画〕
 岡田善雄〔細胞遺伝学〕
 草野心平〔詩〕
 桑原武夫〔仏文学・評論〕
 藤間豊(2世尾上松緑)〔歌舞伎〕
第50回〈1988年(昭和63)11月3日発令〉
 今井功〔流体力学〕
 円鍔勝二(勝三)〔彫刻〕
 河盛好蔵〔翻訳・評論〕
 末永雅雄〔考古学〕
 西塚泰美〔生化学〕
第51回〈1989年(平成元)11月3日発令〉
 片岡球子〔日本画〕
 鈴木竹雄〔商法学〕
 富永良雄(直樹)〔彫刻〕
 西澤潤一〔電子工学〕
 吉井淳二〔洋画〕
第52回〈1990年(平成2)11月3日発令〉
 石井良助〔日本法制史〕
 市古貞次〔国文学〕
 片山愛子(4世井上八千代)〔邦舞〕
 金子賢蔵(鴎亭)〔書〕
 長倉三郎〔物理化学〕
第53回〈1991年(平成3)11月3日発令〉
 猪瀬博〔電子工学〕
 江上波夫〔アジア考古学〕
 蓮田修吾郎〔鋳金工芸〕
 福沢一郎〔洋画〕
 森繁久弥〔現代演劇・映画・放送〕
第54回〈1992年(平成4)11月3日発令〉
 青山文雄(杉雨)〔書〕
 井深大〔電子工学〕
 大塚久雄〔西洋経済史〕
 佐藤實(太清)〔日本画〕
 森野米三〔構造化学〕
第55回〈1993年(平成5)11月3日発令〉
 大隅健一郎〔商法・経済法〕
 小田稔〔宇宙物理学〕
 帖佐良行(美行)〔彫金〕
 福田定一(司馬遼太郎)〔小説〕
 森田茂〔洋画〕
第56回〈1994年(平成6)11月3日発令〉
 朝比奈隆〔洋楽・指揮〕
 岩橋英遠〔日本画〕
 梅棹忠夫〔民族学〕
 島秀雄〔鉄道工学〕
 満田久輝〔栄養化学・食糧科学〕
第57回〈1995年(平成7)11月3日発令〉
 遠藤周作〔小説〕
 佐治賢使〔漆工芸〕
 団藤重光〔刑事法学〕
 花房秀三郎〔ウイルス学・腫瘍学〕
 増田四郎〔西洋経済史〕
第58回〈1996年(平成8)11月3日発令〉
 浅蔵与作(五十吉)〔陶芸〕
 伊藤清永〔洋画〕
 伊藤正男〔神経生理学〕
 竹内理三〔日本史学〕
 森英恵〔服飾デザイン〕
第59回〈1997年(平成9)11月3日発令〉
 宇沢弘文〔理論経済学〕
 小柴昌俊〔素粒子実験〕
 千宗室(15世)〔茶道〕
 高橋節郎〔漆芸〕
 向山光昭〔有機合成化学〕
第60回〈1998年(平成10)11月3日発令〉
 蘆原義信〔建築〕
 岸本忠三〔免疫学〕
 平山郁夫〔日本画・文化財保護・国際交流〕
 村上正一(三島)〔書〕
 山本達郎〔東洋史学〕
第61回〈1999年(平成11)11月3日発令〉
 阿川弘之〔小説〕
 秋野ふく(不矩)〔日本画〕
 伊藤正己〔英米法・憲法〕
 梅原猛〔日本文化研究〕
 田村三郎〔生物有機化学・生物環境生物科学〕
第62回〈2000年(平成12)11月3日発令〉
 石川忠雄〔現代中国研究〕
 大久保ふく(婦久子)〔皮革工芸〕
 白川英樹〔物質科学〕
 杉岡正美(華邨)〔書・仮名〕
 野依良治〔有機化学〕
 山田美津(五十鈴)〔演劇・映画〕
第63回〈2001年(平成13)11月3日発令〉
 井口洋夫〔分子エレクトロニクス〕
 豊島久真男〔ウイルス学〕
 中根千枝〔社会人類学〕
 守屋正(多々志)〔日本画・古画再現〕
 淀井敏夫〔彫刻〕
第64回〈2002年(平成14)11月3日発令〉
 小宮隆太郎〔国際経済学〕
 近藤次郎〔航空宇宙工学・応用数学・環境科学・学術振興〕
 新藤兼登(兼人)〔映画〕
 杉本苑子〔小説〕
 田中耕一〔質量分析学〕
 藤田喬平〔工芸(ガラス)〕
第65回〈2003年(平成15)11月3日発令〉
 大岡信〔詩・評論〕
 緒方貞子〔政治学・国際活動・国際貢献〕
 加山又造〔日本画〕
 西島和彦〔素粒子物理学〕
 森亘〔病理学・科学技術・学術振興〕
第66回〈2004年(平成16)11月3日発令〉
 青木清治(4世中村雀右衛門)〔歌舞伎〕
 小林庸浩(斗盦)〔書(篆刻)〕
 白川静〔中国古代文化〕
 戸塚洋二〔宇宙線天文学〕
 福王寺雄一(法林)〔日本画〕
第67回〈2005年(平成17)11月3日発令〉
 青木久重(龍山)〔陶芸〕
 斎藤真〔アメリカ政治外交史〕
 沢田敏男〔農業工学〕
 日野原重明〔内科学・看護教育・医療振興〕
 村上美津(森光子)〔大衆演劇〕
第68回〈2006年(平成18)11月3日発令〉
 荒田吉明〔高温工学・溶接工学〕
 大山忠作〔日本画〕
 篠原三代平〔日本経済論〕
 瀬戸内晴美(寂聴)〔小説〕
 吉田秀和〔音楽評論〕
第69回〈2007年(平成19)11月3日発令〉
 岡田節人〔発生生物学〕
 茂山七五三(4世茂山千作)〔狂言〕
 中西香爾〔有機化学〕
 中村晋也〔彫刻〕
 三ヶ月章〔民事訴訟法学・裁判法学〕
第70回〈2008年(平成20)11月3日発令〉
 伊藤清〔数学〕
 小沢征爾〔指揮〕
 小林誠〔素粒子物理学〕
 下村脩〔海洋生物学〕
 田辺聖子〔小説〕
 ドナルド・キーン〔日本文学〕
 古橋広之進〔スポーツ〕
 益川敏英〔素粒子物理学〕
第71回〈2009年(平成21)11月3日発令〉
 飯島澄男〔材料科学〕
 中川清(3世桂米朝)〔古典落語〕
 林宏太郎(4世坂田藤十郎)〔歌舞伎〕
 速水融〔社会経済史・歴史人口学〕
 日沼頼夫〔ウイルス学〕
第72回〈2010年(平成22)11月3日発令〉
 有馬朗人〔原子核物理学・学術振興〕
 安藤忠雄〔建築〕
 鈴木章〔有機合成化学〕
 蜷川幸雄〔演劇〕
 根岸英一〔有機合成化学〕
 三宅一生〔服飾デザイン〕
 脇田晴子〔日本中世史〕
第73回〈2011年(平成23)11月3日発令〉
 赤﨑勇〔半導体電子工学〕
 奈良年郎(大樋年朗)〔陶芸〕
 根村才一(丸谷才一)〔小説〕
 三谷太一郎〔日本政治外交史〕
 柳田充弘〔分子遺伝学・分子生理学〕
第74回〈2012年(平成24)11月3日発令〉
 小田滋〔国際法学・国際貢献〕
 高階秀爾〔美術評論・文化振興〕
 松尾敏男〔日本画〕
 山田康之〔植物分子細胞生物学・植物バイオテクノロジー〕
 山田洋次〔映画〕
 山中伸弥〔幹細胞生物学〕
第75回〈2013年(平成25)11月3日発令〉
 岩崎俊一〔電子工学〕
 小田剛一(高倉健)〔映画〕
 高木郁太〔書〕
 中西進〔日本文学・比較文学〕
 本庶佑〔医科学・分子免疫学〕
第76回〈2014年(平成26)11月3日発令〉
 天野浩〔電子・電気材料工学〕
 市川多惠子(河野多惠子)〔小説〕
 岸本欣一(竹本住大夫)〔人形浄瑠璃文楽〕
 國武豊喜〔分子組織化学〕
 中村修二〔半導体工学〕
 根岸隆〔経済理論・経済学説史〕
 野見山曉治〔洋画〕
第77回〈2015年(平成27)11月3日発令〉
 大村智〔天然物有機化学・薬学〕
 梶田隆章〔素粒子・宇宙線物理学〕
 鹽野宏〔法律学・行政法学〕
 志村ふくみ〔工芸(染織)〕
 末松安晴〔光通信工学〕
 仲代元久(達矢)〔俳優〕
 中西重忠〔神経科学〕
第78回〈2016年(平成28)11月3日発令〉
 大隅良典〔細胞生物学〕
 草間弥生(彌生)〔絵画・彫刻〕
 中野三敏〔日本近世文学〕
 原田朋子(太田朋子)〔集団遺伝学〕
 平岩弓枝〔小説〕
 福田博郎(船村徹)〔作曲〕
第79回〈2017年(平成29)11月3日発令〉
 奥谷博〔洋画〕
 芝祐靖〔雅楽〕
 斯波義信〔中国史〕
 藤嶋昭〔光化学・電気化学〕
 松原謙一〔分子生物学〕
第80回〈2018年(平成30)11月3日発令〉
 一柳慧〔作曲〕
 今井政之〔陶芸〕
 金子宏〔租税法学〕
 長尾真〔情報工学〕
 山崎正和〔劇作・評論〕
第81回〈2019年(令和1)11月3日発令〉
 甘利俊一〔数理工学〕
 坂口志文〔免疫学〕
 佐々木毅〔政治学〕
 田沼武能〔写真〕
 野村太良(萬)〔狂言〕
 吉野彰〔電気化学〕
第82回〈2020年(令和2)11月3日発令〉
 岩﨑壽賀子(橋田壽賀子)〔脚本〕
 奥田小由女〔工芸(人形)〕
 久保田淳〔日本文学〕
 近藤淳〔物性物理学〕
 澄川喜一〔彫刻〕
第83回〈2021年(令和3)11月3日発令〉
 岡崎恒子〔分子生物学〕
 岡野弘彦〔短歌〕
 川田順造〔文化人類学〕
 絹谷幸二〔洋画〕
 寺嶋秀幸(7世尾上菊五郎)〔歌舞伎〕
 長島茂雄(長嶋茂雄)〔スポーツ振興〕
 福田阿佐美(牧阿佐美)(令和3年10月20日付け発令)〔バレエ〕
 眞鍋淑郎〔気象学・気候学〕
 森重文〔数学〕

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百科事典マイペディア 「文化勲章」の意味・わかりやすい解説

文化勲章【ぶんかくんしょう】

科学・芸術など文化の発達に偉大な功績のあった者に授ける勲章。金橘(きんきつ)花の章に淡紫色の綬をつける。1937年制定。現在は原則として文化功労者を対象として選考される。
→関連項目芦原義信伊藤清上村松篁小野清一郎桂米朝斎藤真末永雅雄花房秀三郎文化の日村上三島森亘淀井敏夫和達清夫

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勲章・褒章がわかる事典 「文化勲章」の解説

ぶんかくんしょう【文化勲章】

栄典の一つで、科学・芸術分野で文化の発展に顕著な功績があった人に授与する勲章。1937年(昭和12)2月11日の紀元節(現在は建国記念の日)に発せられた勅令「文化勲章令」により制定された。初めから他の勲章のような等級がない単一級の勲章で、意匠(いしょう)は橘(たちばな)の花びらをかたどった清楚なものである。当時の日本は軍事大国ではあったが、科学や芸術分野では欧米先進国に遅れ、模倣の域を出ていなかった。そこで、独創的な文化の育成をはかる奨励策の一つとして創設された。当初は不定期に発令されていたが、1949年の第8回以降は、毎年1回11月3日(文化の日:1948年の祝日法で制定)に定まった。第二次世界大戦後から1964年までは生存者叙勲が停止されたが、この文化勲章だけは継続した。日本国憲法は栄典の授与による一切の特権を認めておらず、文化勲章も例外ではない。ただし、1951年に文化功労者年金法が制定され、文化勲章受章者をすべて文化功労者でもあるように運用することで、終身年金が支給されることになった。1979年以降は、前年度までの文化功労者のなかから受章者を選ぶようになっている。受章者の予定数は毎年おおむね5名となっていて、文部科学大臣が内閣総理大臣に推薦し、閣議で決定する。授与式は、長い間、宮中で天皇臨席のもとに内閣総理大臣が勲記と勲章を手交していた(伝達式)が、1997年(平成9)からは、勲章は皇居宮殿松の間で天皇から直接手渡される(親授式)ようになった。なお、1969年10月に、人類初の月面着陸をはたしたアメリカのアームストロングらアポロ11号の宇宙飛行士3名が来日、政府は彼らに文化勲章を授与、これが文化勲章では初の外国人受章者となった。

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知恵蔵 「文化勲章」の解説

文化勲章

芸術や学問など、文化の発達にめざましい功績をあげた人に授与される勲章。毎年11月3日の文化の日に授与式が行われ、天皇陛下から直接、橘の中央に曲玉をデザインした勲章が贈られる。
文化勲章の授与が始まったのは、1937年2月に文化勲章令が制定されてから。受章の候補者は、文化功労者の中から選ばれるしくみになっており、大学教授や文化施設長らがメンバーの文化審議会の意見を聞いた上で、文部科学大臣が選考し、内閣総理大臣に推薦を行い閣議決定される。第1回の文化勲章は、日本画家の横山大観、物理学者の長岡半太郎など9人が受章した。
毎年5人ずつ選定されるのが定例になっていたが、2008年度はノーベル賞受賞者が3人出たこともあってか、8人が文化勲章を授与された。ノーベル物理学賞を受賞した小林誠と益川敏英、ノーベル化学賞受賞の下村脩を始め、指揮者の小澤征爾、小説家の田辺聖子らが受章している。
なお、09年度の受章者は、名城大教授で材料科学の飯島澄男、歌舞伎俳優の坂田藤十郎、落語家の桂米朝ら5人。桂米朝は落語界初の受章者となった。
一方、文化勲章の受章候補に選ばれながら、それを辞退する文化人もいる。小説家の大江健三郎は、1994年にノーベル文学賞を受賞し、文化勲章の授与も打診されたが、「民主主義に勝る権威と価値観を認めない」との理由で辞退。またその翌年には、女優の杉村春子が、「自分には大きすぎる。もっと自由でいたい。ただ芝居をしていたいだけ」との理由で辞退している。

(高野朋美  フリーライター / 2009年)

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改訂新版 世界大百科事典 「文化勲章」の意味・わかりやすい解説

文化勲章 (ぶんかくんしょう)

科学や芸術など文化の発達に貢献した者に授与される勲章。1937年2月11日の文化勲章令(勅令)によって制定された。他の勲章のような等級はなく,称号とも結びつかず,年金もともなわない。しかし51年に文化功労者年金法ができてからは,文化勲章受章者は同時に文化功労者として文化功労年金を受けるのが例になっている。勲章は橘(たちばな)の花をかたどった清楚な様式である。受章者の選定は法令による規定はないが,文部省が委嘱した選考委員会が選んで閣議で決定している。1949年度からは,年1回文化の日(11月3日)に授与が行われている。84年までに44回の授与が行われ,受章者の合計は221人に達している。

 日本の勲章は,国家に功績のあった軍人や政治家,官僚を顕彰するのが中心で,科学や芸術を軽視していたので,文化勲章の制定は戦争直前の日本としては異例のことであった。そのため敗戦後他の勲章の授与が中断したときも,文化勲章は継続して授与された。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「文化勲章」の解説

文化勲章
ぶんかくんしょう

学問・芸術などで文化の発達に顕著な功績をあげた人に与えられる勲章。1937年(昭和12)2月11日の勅令文化勲章令にもとづいて制定された。49年以降は毎年11月3日の文化の日に授与される。51年4月3日公布の文化功労者年金法に文化勲章受章者も含まれることになり,終身年金350万円が贈られる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文化勲章」の意味・わかりやすい解説

文化勲章
ぶんかくんしょう

他にぬきんでて文化の発達に功績の著しい者に授与される勲章 (→文化功労者 ) 。綬 (じゅ) によって胸部中央に吊下げるものとされている (文化勲章令〈昭和 12年勅令9号〉) 。毎年文化の日 (11月3日) に授与される。

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旺文社日本史事典 三訂版 「文化勲章」の解説

文化勲章
ぶんかくんしょう

科学・文芸など文化の発達にすぐれた功績をあげた者に授与される勲章
勲章が軍務・国務に関係した者に与える観念が強かったことを反省して,1937年制定。第二次世界大戦後は '46年より文部大臣の推薦,内閣の決定で,毎年11月3日の「文化の日」に授与される。

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世界大百科事典(旧版)内の文化勲章の言及

【勲章】より

…一方,1929年8月には,収賄による叙勲申請という売勲事件がおこり,9月11日,前賞勲局総裁天岡直嘉が起訴・収監されて叙勲の情実と不公平があばかれ,昭和疑獄史のクライマックスとなった。 敗戦とともに,1937年制定の文化勲章(科学,文芸,絵画,彫刻,建築,音楽,演劇など文化にめざましい貢献をした者に授与される。勲等の別がなく単一級である)を除いて,叙位叙勲は廃止された(1946年5月3日幣原喜重郎内閣閣議決定)。…

※「文化勲章」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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