文選読(読み)もんぜんよみ

精選版 日本国語大辞典 「文選読」の意味・読み・例文・類語

もんぜん‐よみ【文選読】

  1. 〘 名詞 〙 漢文訓読の一方法。一つの語をまず音読し、さらに同じ語の訓を重ねていう読み方。たとえば「細細腰支」という一句を「細細(さいさい)とほそやかなる腰支(ようし)のこし」と読む類。平安時代博士家で「文選」を講義する際、この読み方で教えたところからいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「文選読」の意味・わかりやすい解説

文選読【もんぜんよみ】

漢文訓読における読み方の一種。〈かたちよみ〉とも。〈関関雎鳩〉を〈クヮンクヮントヤハラギナケルショキウノミサゴ〉とよむように,語句をいったん音読し,さらにその同じ語句を訓でよむ読み方。本来難語の読解のために生じたものだが,後には修辞法の一種のようになった。《文選》の訓読に多用されたのでこの称がある。

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