断見(読み)ダンケン

デジタル大辞泉 「断見」の意味・読み・例文・類語

だん‐けん【断見】

仏語。生は現世限りのものであるとし、因果理法善悪業果を無視する誤った見解。→常見

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精選版 日本国語大辞典 「断見」の意味・読み・例文・類語

だん‐けん【断見】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たんけん」とも )
  2. 仏語。五見の一つである辺執見(へんしっけん)に属する誤った見解のうちの一つ。我(が)死後断絶してしまうと執する悪見。断無
    1. [初出の実例]「有云。人死帰気更不生。如此之類名断見」(出典秘蔵宝鑰(830頃)上)
    2. 「生死を離れば、断見の咎さって向上の一路はいかに」(出典:謡曲・放下僧(1464頃))
    3. [その他の文献]〔勝鬘経‐顛倒真実章〕
  3. きっぱりとした意見。
    1. [初出の実例]「吾人は紙上の断見と実際上の断見とをして相表裏せしむることあるべからず」(出典:真理一斑(1884)〈植村正久〉三)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「断見」の意味・わかりやすい解説

断見
だんけん

仏教用語。断滅論のこと。人は一度死んだら断滅して再生することなく,善悪およびその果報もないとする見解。常見対語

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