吉川英治の代表的な歴史長編小説。1950年(昭和25)6月~57年3月『週刊朝日』連載。1951~57年朝日新聞社刊。全24巻。源平二氏の興亡に材をとった叙事詩的大作で、歴史のなかに生きる天皇から庶民までの動きを幅広くとらえ、それを時の流れに即して浮き彫りしており、国民文学の一成果と高く評価された。巻末に近く幸福とは何かについて語りあう麻鳥(まとり)夫妻の述懐のなかに作者なりの平和への祈念が託されていて、戦争の惨禍をくぐり抜けてきた読者の共感を誘い、『週刊朝日』の100万部突破を実現させた。過去を描いて現代を照応させる「後鏡としての文学」の意図は、この作品でみごとに結実した。
[尾崎秀樹]
『『新・平家物語』全16冊(講談社・吉川英治文庫)』▽『『新・平家物語』全12巻(1971・六興出版社)』▽『『新・平家物語』全8冊(『吉川英治全集32~39』1981~82・講談社)』
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
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